アコルの谷を希望の門に · スモールグループ

結婚の困難な時期を歩む, 第12課. 読む ホセア書 2:14-23. この結婚はもう救いようがないと感じ、何を祈ればよいかも分からない

中心聖句:ホセア書 2:14-23

ホセア書で、神は契約を破った民に「アコルの谷を望みの門として与える」と語られます。「アコル」は「災い」「苦しみ」の意味と解されることが多く、イスラエルの民が悲しい出来事を思い起こす場所でした。結婚はもう救いようがなく、何を祈ればよいかさえ分からない時、私たちの望みは結婚が必ず良くなることではありません。災いの谷を望みの門へ変えることのできる神にあります。

はじめに

できることは試し、何度も話し、泣き、だれかにも助けを求めました。それでも結婚生活が、もう道のない所まで来てしまったように感じることがあります。氷のように冷えた結婚生活の中にいる人も、裏切られたばかりの人も、すでに別居している人も、離婚の合意書に署名した人もいます。夜、ひざまずいても、何を願えばよいのか分かりません。相手が戻ること、自分があきらめられること、神が相手を変えること、それとも神が自分を変えることを願えばよいのでしょうか。最後には「主よ」と言ったきり、その先が続かなくなります。

ホセア書2章は、とても重い箇所です。前半で神は、裏切られた夫のように、ほかの偶像を追い求めた民を訴えられます(ホセア 2:2-13)。ホセア自身の結婚も、神がこのことを示すしるしとして用いられました。しかし14節になると、語調が突然変わります。

それゆえ、見よ、わたしは彼女をいざなって、荒野に導いて行き、ねんごろに彼女に語ろう。(ホセア 2:14)

荒野は罰の終着点ではなく、神がもう一度彼女に語りかける場所です。続いて、この章で最も意外な言葉が記されています。

その所でわたしは彼女にそのぶどう畑を与え、アコルの谷を望みの門として与える。その所で彼女は若かった日のように、エジプトの国からのぼって来た時のように、答えるであろう。(ホセア 2:15)

「アコルの谷」は、何でもない地名ではありません。ヨシュアの時代、アカンは滅ぼすべき物を隠してイスラエル全体を災いに巻き込み、彼とその家族はそこで石で打ち殺されました。「このことによって、その所の名は今日までアコルの谷と呼ばれている」(ヨシュア 7:26)のです。「アコル」は「災い」「苦しみ」の意味と解されることが多く、アカンがイスラエルを「悩ました」という物語の言葉とも響き合います(ヨシュア 7:25)。神は、この災いの谷を望みの門にすると言われます。

16節から20節で、神は民ともう一度契約を結ぶと言われます。「またわたしは永遠にあなたとちぎりを結ぶ。すなわち正義と、公平と、いつくしみと、あわれみとをもってちぎりを結ぶ」(ホセア 2:19)。そして「わたしは真実をもって、あなたとちぎりを結ぶ。そしてあなたは主を知るであろう」(ホセア 2:20)と語られます。契約を破った民に対しても、神は真実であり続けられます。23節では、「わたしの民でない者に向かって、『あなたはわたしの民である』と言い」とあります。後にパウロとペテロはこの箇所を引用し、キリストにあって、以前は神の民でなかった異邦人も神の民となったと語りました(ローマ 9:25-26、ペテロ第一 2:10)。この望みの門は、ついにイエス・キリストにあって開かれたのです。

この箇所を読む時、はっきりさせておくべきことがあります。ホセア書が語るのは、神とその民との契約です。あらゆる結婚についての約束ではありません。壊れた結婚がすべて元に戻るとも、裏切られた側がどんな場合にも相手を受け入れ直さなければならないとも、危険な場所にとどまるべきだとも語っていません。神の御手の中で少しずつ修復された結婚もあれば、そうならなかった結婚もあります。

しかし、この箇所は「結婚が必ず良くなる」ということよりも、もっと確かなものを与えます。それは神ご自身です。神は最も荒れ果てた荒野で人に優しく語りかけ、記憶の中で最も悲しい場所を一つの門へ変えることができます。結婚が修復されることも、されないこともあります。それでも、望みの門は神に属する人のために開かれています。哀歌は「しかし、わたしはこの事を心に思い起す。それゆえ、わたしは望みをいだく」(哀歌 3:21)と語ります。それは「主のいつくしみは絶えることがなく、そのあわれみは尽きることがない」(哀歌 3:22)からです。

何を祈ればよいか分からない時は、ただ「主よ」と言うだけでもかまいません。パウロは「わたしたちはどう祈ったらよいかわからないが、御霊みずから、言葉にあらわせない切なるうめきをもって、わたしたちのためにとりなして下さる」と語ります(ローマ 8:26)。最後まで言葉にならない祈りも、神は分かってくださいます。これからどうするか、すべてを一度に決める必要はありません。一日ずつ歩んでいけます。今日はきちんと食事をし、今日はだれかに話し、今日はこの結婚をもう一度神にゆだねるのです。ただし、安全の確保、受診、子どもの保護、期限のある法的手続きが今すぐ必要な場合は、先延ばしにしません。

学びのポイント

1. 前半と後半。 ホセア 2:2-13は、契約を破った民に対する神の訴えです。14節からは、いざない、慰め、契約の回復へと転じます。ホセアの結婚は、この書の中で神と民との関係を示すしるしです。

2. 「アコルの谷」。 ヨシュア 7:24-26では、アカンの罪がイスラエル全体を災いに巻き込み、そのため、その地はアコルの谷と呼ばれました。「アコル」は「災い」「苦しみ」の意味と解されることが多く、7:25の「悩ました」という言葉とも響き合います。神はそこを「望みの門」にすると言われます。

3. 「イシ」と「バアル」。 16節で神は、民が神を「イシ」(わが夫)と呼び、もはや「バアル」(わが主)とは呼ばないと言われます。中国語和合本の小字注には、この二つの語の意味が記されています。

4. 契約を表す五つの言葉。 19-20節で神は、正義、公平、いつくしみ、あわれみ、真実をもって民とちぎりを結ばれます。これが神の契約の愛です。

5. 新約聖書での引用。 ローマ 9:25-26とペテロ第一 2:10はホセア書のこの箇所を引用し、キリストにあって、以前は神の民でなかった者も神の民となったと語ります。

分かち合い

オープニング(約10分)

最初にひとこと(リーダーが読みます)

グループで話したことを、外へ持ち出して言い広めません。ただし、現在進行中の危害、子どもや弱い立場にある人の安全、または差し迫った自傷・他害の危険に関わる場合、リーダーは完全な秘密を約束できません。通常はまず本人とできるだけ相談し、実際に助けられる人に必要な情報だけを伝えます。子どもや自分を守れない人に関わる場合、または差し迫った危険がある場合は、本人の同意を前提とせず、状況に応じて牧師、資格を持つ専門家、現地の公安・警察、救急・医療機関に連絡します。差し迫った危険がある場合は、その場で助けを求め、本人を一人にしません。

アイスブレイク:思い出すとつらかったのに、後になって違う意味を持つようになった場所がありますか。(初めて参加する方も話せます)

リーダーへのヒント:重くしすぎず、気軽に話してください。以前は不合格になった学校で後に働くようになったこと、以前はつらかった病院で後に子どもを迎えたことなどです。最後に、悲しい場所が、後に一つの門となることもある、とまとめます。

この課の振り返り(リーダーが読みます。約1分。予習していない人のためです)

この課で読むのは、ホセア書2章14節から23節です。神は契約を破った民を訴えた後、「わたしは彼女をいざなって、荒野に導いて行き、ねんごろに彼女に語ろう」と言われます。ぶどう畑を与え、アコルの谷を望みの門として与え、彼女は若かった日のように答えると語られました。その日、彼女は神を「わが夫」と呼び、もはや「わが主」とは呼びません。神は正義、公平、いつくしみ、あわれみ、真実をもって、永遠に彼女とちぎりを結び、彼女は主を知ります。以前は神の民でなかった者に「あなたはわたしの民である」と言い、その人は「あなたはわたしの神である」と答えます。関連する箇所は哀歌3章です。「しかし、わたしはこの事を心に思い起す。それゆえ、わたしは望みをいだく」。主のいつくしみは絶えることがなく、そのあわれみは尽きず、朝ごとに新しくなります。今日は、結婚がもう救いようがないように見える時、望みはどこにあるのかを分かち合います。

観察

1. 14-15節を読みます。神は民をどこへ導き、そこで何をされますか。何を「望みの門」へ変えられますか。

リーダーへのヒント:彼女を荒野へ導き、ねんごろに語り、ぶどう畑を与え、アコルの谷を望みの門として与えます。彼女はそこで若かった日のように答えます。

2. ヨシュア記7:24-26を読みます。アコルの谷はどのような場所ですか。「アコル」にはどのような意味がありますか。

リーダーへのヒント:アカンは滅ぼすべき物を隠し、イスラエル全体を災いに巻き込みました。彼はそこで処刑され、その地はアコルの谷と呼ばれました。「アコル」は「災い」「苦しみ」の意味と解されることが多く、イスラエルの民が悲しい出来事を思い起こす場所です。

3. 16-23節を読みます。神はどのように民ともう一度契約を結ばれますか。どのような言葉が使われていますか。23節には何とありますか。

リーダーへのヒント:正義、公平、いつくしみ、あわれみ、真実をもって永遠にちぎりを結び、彼女は主を知ります。23節では、神の民でなかった者に「あなたはわたしの民である」と言い、その人は「あなたはわたしの神である」と答えます。

解釈

4. 神は、災いを記憶する場所である「アコルの谷」を「望みの門」にすると言われます。ここから、神がどのような方だと分かりますか。救いようがないように見える結婚に、どのような望みを与え、また何を約束してはいませんか。

リーダーへのヒント:この課の中心となる問いなので、十分に時間を取ります。神は最も荒れ果て、最も悲しい場所でも、もう一度人に語りかけ、契約を破った者に対しても真実であり続けられます。この箇所は神と民との契約を語るもので、すべての結婚が元に戻るとは約束していません。裏切られた人に、どんな場合にも相手を受け入れ直すよう求めたり、危険な場所にとどまるよう求めたりもしません。この箇所が与える、より確かな望みは神ご自身です。結婚が修復されることも、されないこともあります。それでも、この門は神に属する人のために開かれています。

5. 19-20節で、神は正義、公平、いつくしみ、あわれみ、真実をもって民とちぎりを結ばれます。これらを合わせると、神の愛はどのような愛だと分かりますか。自分の結婚を見るうえで、何を教えられますか。

リーダーへのヒント:神の愛は原則のない放任ではなく、正義と公平があります。冷たい裁きでもなく、いつくしみとあわれみがあります。そして常に真実で、約束を守られます。夫婦の愛にも、愛と正義、境界線が共に必要です。

6.(時間に余裕がある場合)パウロとペテロはこのホセア書の箇所を引用し、キリストにあって、以前は神の民でなかった者も神の民になったと語ります(ローマ 9:25-26、ペテロ第一 2:10)。なぜ、この望みの門はついにキリストにあって開かれたと言えるのでしょうか。

リーダーへのヒント:私たちは皆、契約を破り、ふさわしくなかった者です。キリストが私たちのために死に、復活されたことによって、私たちは神の民とされました。結婚の結末がどうであっても、キリストにあって、失われることのない身分と望みがあります。

適用

7. どう祈ればよいか分からず、ただうめくしかなかったことがありますか。その時、何が助けになりましたか。(出来事の内容は話さなくてもかまいません。話したくない方は聞くだけでもよく、初めて参加する方も話せます)

リーダーへのヒント:まずリーダーが自分のことを話します。ローマ 8:26を挙げ、言葉にならないうめきをもって聖霊がとりなしてくださると伝えられます。ただ聞き、答えを急ぎません。もう耐えられない、死にたいという話が出たら、前述の自死の思いへの対応に従い、その場で一緒にいて、集まりの後まで待ちません。

8. 今週、「もう道がない」と思うそのことを、どのようにもう一度神へゆだねたいですか。ほんの小さな一歩でもかまいません。

リーダーへのヒント:具体的な一歩へ導きます。今週一度、「主よ、これをあなたにゆだねます」とだけ祈る。哀歌 3:21-23を読む。信頼できる人と一度話す。今日、きちんと食事をし、よく眠る。続く行動リストにつなげてください。

祈りと実践

ともに祈る(約15分)

一人の方にホセア 2:14-15をゆっくり読んでもらい、続いて哀歌 3:21-23を読んでもらいます。二分間静まります。何を祈ればよいか分からない方は、心の中でただ「主よ」と言うだけでもかまいません。希望する方は一言か二言、道がないように見える結婚のために神が門を開いてくださるよう祈り、すでに壊れた家庭のために慰めを求め、自分が今日を歩む力を求めます。声に出したくない方は、静かに祈るだけでも祈りです。初めて参加する方は静かに聞くだけでよく、祈ったり信仰を表明したりする必要はまったくありません。最後にリーダーがまとめ、グループの一人ひとりの家庭のために祈ります。祈りの課題はグループ内にとどめ、配慮を要する内容はアプリやグループチャットに書きません。通常、後で支援するときは、まず本人の同意を得て、必要な一言か二言だけを個別に記録します。子どもや自分を守れない人の安全、または差し迫った自傷・他害の危険に関わる場合は、同意を前提とせず、直ちに現地の救急、公安・警察、または適切な保護機関へ連絡してください。

次のように始めることができます(祈りの方向):

真実な神よ、あなたは荒野で契約を破った民にねんごろに語り、アコルの谷を望みの門へ変えてくださいました。私たちの結婚の中には、もう道がないように見えるものがあります。何を願えばよいかさえ分かりません。どう言葉にすればよいか分からないうめきをもって、聖霊が私たちのためにとりなしてください。この結婚がこれからどうなっても、あなたが私たちの望みとなってください。キリストにあって、あなたはすでに私たちをあなたの民と呼んでくださいました。今日を歩む力を与え、明日のことを顧みてください。危険の中にいる人を守り、心の砕かれた人を慰めてください。イエスの御名によって祈ります。アーメン。

今週の行動リスト(約5分)

祈った後、下の項目から一つを選び、今週やってみましょう。一つで十分です。すぐに選べなくてもかまいません。

記録も報告も必要ありません。よければ次の集まりで話してください。できなかった場合は、何が妨げになったかを祈りの中で神に打ち明けましょう。

家に帰ってから:二人の課題

この課題は、まず一人で考えるためのものです。結婚がここまで困難になると、一人だけがなお考え続けていることがよくあるからです。双方が望み、関係が安全である場合は、それぞれ書いた後で問2だけを分かち合えます。

  1. 私の心にある「アコルの谷」は何ですか。もう思い出したくないのは、どの出来事ですか。
  2. この結婚がどのような結果になっても、神に私のうちでしていただきたい一つのことは何ですか。

問1は自分の中にとどめ、祈りの中へ持っていきます。問2を分かち合う時は、一人が話し、もう一人は議論せずに聞きます。家庭に暴力や脅しがある場合、お金や身分証明書を取り上げられたり、自分で管理できないようにされたりしている場合、人と会うことを禁じられている場合、または話した後の報復をどちらかが恐れている場合、この課題は行いません。交渉や対決の場を作るためにも使わず、まず行動リストにある方法で個別に助けを求めてください。

続けて話すなら

「苦しみの中で勝利する」シリーズの「毎朝、もう一度向き合う」(哀歌 3:1-33)、または同じシリーズの「出口が見えなくても、なお希望がある」(ハバクク書 3:16-19)を選べます。

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