「家庭の恥は外に出さない」のか · スモールグループ

結婚の困難な時期を歩む, 第11課. 読む ルカによる福音書 5:17-26. 結婚に深刻な問題があっても、体面を恐れて話せない。誰かに相談したくても、誰に話すべきか分からない

中心聖句:ルカによる福音書 5:17-26

一人の中風の人は、自分ではイエスのもとへ行けませんでした。何人かが彼を運び、屋根に上り、屋根を開け、彼をつり下ろしました。「イエスは彼らの信仰を見て」と記されています。結婚生活に大きな問題が起きたとき、私たちにも担架を担いでくれる人が必要です。「家の恥を外へさらすな」という言葉に妨げられる人は少なくありません。この場面は、助けを求めて口を開くことを、恥ではなく、信頼をもって踏み出す一歩として見るよう励まします。

はじめに

すでに深刻な問題を抱えている結婚があります。長年の冷戦状態、不貞、相手に隠したまま膨らんだ借金、アルコール依存、賭博、暴力。それでも外では二人そろって教会へ行き、親戚を訪ね、何事もない顔をします。「家の恥を外へさらすな」という言葉を幼いころから聞いてきました。話せばうわさされ、親を心配させ、教会の人に違う目で見られるのが怖い。相談相手を間違えて町中に広まることも怖い。そのため一人で背負い、背負いきれなくなる日まで耐えてしまいます。

ルカによる福音書5章で、イエスが家の中で教えておられると、内にも外にも人があふれていました。

その時、ある人々が、ひとりの中風をわずらっている人を床にのせたまま連れてきて、家の中に運び入れ、イエスの前に置こうとした。(ルカ 5:18)

ところが、群衆のためにどうしても運び入れる方法がなかったので、屋根にのぼり、瓦をはいで、病人を床ごと群衆のまん中につりおろして、イエスの前においた。(ルカ 5:19)

その人は自分では歩いて行けず、ほかの人々に運ばれました。戸口から入れなくても、彼らは諦めません。屋根に上り、瓦を外し、彼をつり下ろしました。決して体裁のよい方法ではなく、家中の人が見ていました。

続いて、「イエスは彼らの信仰を見て、『人よ、あなたの罪はゆるされた』と言われた」とあります(ルカ 5:20)。イエスが見たのは、この一群の人々の信仰です。聖書は一人一人の信仰を個別には説明していません。イエスが最初に言われたのは「起きて歩け」ではなく、罪の赦しでした。そこにいた律法学者たちは、「神おひとりのほかに、だれが罪をゆるすことができるか」と心の中で論じます(ルカ 5:21)。イエスは、人の子が地上で罪を赦す権威を持つことを知らせるため、中風の人に、「あなたに命じる。起きよ、床を取り上げて家に帰れ」と言われました(ルカ 5:24)。その人は皆の前で立ち上がり、神をあがめながら家へ帰りました。

ルカがここで第一に示すのは、人の子が地上で罪を赦す権威を持つことです。そこから、人の最も根本的な必要は神との和解である、とまとめることもできます。これは、結婚の問題がいつも誰か一人の罪のために起きたという意味ではなく、この人の中風が特定の罪の結果だったとも書かれていません。イエスは罪を赦し、人をもう一度立ち上がらせるために来られました。この場面にはもう一つの励ましもあります。自分で歩けないところまで来た人が、ほかの人に運ばれてイエスの御前へ来ることは恥ではありません。助けを求めて口を開くことは、信頼をもって踏み出す一歩です。これはその日、その人に与えられた恵みであり、すべての結婚が私たちの望む形でよくなるという約束ではありません。それでも、イエスの御心をここに見ることができます。

ですから、結婚生活に大きな問題が起きたとき、私たちにも担架を担いでくれる人が必要です。箴言は、「相はかることがなければ、計画は破れる、はかる者が多ければ、それは必ず成る」と言います(箴言 15:22)。相談できるのは、成熟し、秘密を守れる牧師、訓練を受けた結婚カウンセラー、困難を通ってきた年長の夫婦、必要に応じて医師、弁護士、関係機関です。ただし、信頼できる相手を選ぶ必要があります。箴言はまた、「人のよしあしを言いあるく者は秘密をもらす、心の忠信なる者は事を隠す」と語ります(箴言 11:13)。

もう一つ注意が必要です。教会内で権力を持つ人から傷つけられている場合、または相談しようとする牧師自身がその問題に関係している場合は、その権力系統を避け、利害関係のない人と外部の専門的な助けを求めます。結婚に暴力、脅し、支配があるなら、まず安全を求めてください。このようなとき、「家の恥を外へさらすな」という言葉は、最も人を危険に閉じ込めやすいのです。

反対に、私たちが担架を担う人になることもできます。以前より口数が減っている兄弟姉妹に目を留め、「大丈夫?」と尋ね、本人が望むなら必要な助けを求めるところまで同行します。教会は、互いの困難を知り、互いの秘密を守れる共同体であるべきです。

学びのポイント

1. 中風の人は運ばれてきました。 18-19節で、彼は自分ではイエスのもとへ行けませんでした。彼を運んだ人々は、妨げがあっても諦めず、屋根に上り、瓦をはいで彼をつり下ろしました。

2. 「彼らの信仰」。 20節は、イエスがこの一群の人々の信仰を見たと語ります。聖書は一人一人の信仰を個別には説明していません。

3. まず赦し、その後にいやす。 イエスは最初に「あなたの罪はゆるされた」と言い、その後で立って歩くよう命じ、人の子が地上で罪を赦す権威を持つことを示されました(24節)。「神との和解が人の最も根本的な必要である」とは、ここから導かれるまとめです。この人が特定の罪のために中風になったとは書かれていません。

4. これはその日に与えられた恵みであり、保証書ではありません。 中風の人がただちに立って歩いたのは、その日にイエスが行われた恵みです。それはイエスを知らせますが、すべての困難が私たちの望む形で解決するとは約束しません。

5. 相談と秘密を守ること。 箴言 15:22は、相談する者が多ければ計画が成ると語り、箴言 11:13は、忠信な人が事を隠すと語ります。助けは、信頼でき、秘密を守れる人に求めます。

分かち合い

オープニング(約10分)

最初にひとこと(リーダーが読み上げます)

このグループで聞いた話を、外へ持ち出して言いふらすことはしません。ただし、例外があります。現在進行中の危害、子どもや弱い立場の人の安全、または自分や他人を今すぐ傷つける危険が関わる場合、リーダーは完全な秘密を約束できません。通常は、まずできる限り本人と相談し、実際に助けられる人に必要な情報だけを伝えます。子どもや自分を守れない人が関わる場合、または差し迫った危険がある場合は、同意を前提とせず、状況に応じて牧師、資格のある専門家、現地の警察、救急・医療機関へ連絡します。差し迫った危険があるときはその場で助けを求め、本人を一人にしないでください。

アイスブレイク:人に助けを頼むのが最も恥ずかしいと感じるのは、どんなことですか。(お金を借りる、道を尋ねる、受診する、子どもの世話を頼むなど。初めて来た方も話せます)

リーダーへのヒント:気軽に話します。お金を借りることを挙げる人も、道を尋ねることさえ苦手な人もいるでしょう。最後に、「助けを求めるのは多くの人にとって難しく、家庭のことならなおさらです」とまとめます。

この課の振り返り(リーダーが読み上げます。約1分。予習していない人のためです)

この課では、ルカによる福音書5章17-26節を読みます。イエスが家で教えておられ、パリサイ人と律法の教師たちも座っていました。ある人々が中風の人を床に載せてイエスの前へ運ぼうとしましたが、人が多くて入れません。そこで屋根に上り、瓦をはいで、その人を床ごとイエスの前へつりおろしました。イエスは彼らの信仰を見て、その人に「あなたの罪はゆるされた」と言われます。律法学者とパリサイ人は、神おひとりのほかに誰が罪を赦せるかと論じました。イエスは、人の子が地上で罪を赦す権威を持つことを知らせるため、その人に、起きて床を取り上げ、家へ帰るよう命じます。その人はすぐに立って家へ帰り、神をあがめ、皆は驚きました。あわせて読む箴言15章は、相談がなければ計画は破れ、相談する者が多ければ成る、と語ります。今日は、結婚生活に大きな問題が起きたとき、それを「外へ話して」よいのかを一緒に考えます。

観察

1. 17-19節を読みます。その人々は何をしようとしましたか。どんな妨げがあり、どうしましたか。

リーダーへのヒント:中風の人をイエスの前へ運ぼうとしました。人が多くて入れなかったので、屋根に上り、瓦をはいで、彼を床ごとつりおろしました。

2. 20-24節を読みます。イエスは何を見ましたか。最初に中風の人へ何と言い、その後で何と言いましたか。

リーダーへのヒント:「彼らの信仰」を見ました。最初に「あなたの罪はゆるされた」と言い、その後、「あなたに命じる。起きよ、床を取り上げて家に帰れ」と言われました。これは、人の子が地上で罪を赦す権威を持つことを知らせるためでした。

3. 25-26節と箴言 15:22を読みます。結果はどうなりましたか。箴言は相談について何と語りますか。

リーダーへのヒント:その人は皆の前で立ち、床を取り上げ、神をあがめながら家へ帰りました。皆は驚きました。箴言は、相談がなければ計画は破れ、相談する者が多ければ成ると語ります。

解釈

4. 中風の人は自分ではイエスのもとへ行けず、何人かに運ばれ、屋根を開けてつり下ろされました。結婚生活に大きな問題が起きたとき、なぜ私たちにも「担架を担う人」が必要なのでしょうか。「家の恥を外へさらすな」という言葉は、どこで私たちを妨げますか。

リーダーへのヒント:この課の中心となる問いです。時間を十分に取ってください。自分で歩けないところまで来た人には、運んでくれる人が必要です。この場面は、人に運ばれてイエスの前へ来ることを恥じなくてよいと励まします。「家の恥を外へさらすな」という考えは、うわさや家の面目を恐れさせ、一人で背負いきれなくなるまで耐えさせます。暴力がある場合には、人を危険に閉じ込めます。ただし、秘密が漏れる心配には理由もあるので、信頼でき、秘密を守れる相手を選びます。

5. イエスは最初に「あなたの罪はゆるされた」と言い、その後で立って歩くよう命じました。ルカはこの出来事を通して、イエスについて何を示しますか。そこから、人の最も根本的な必要をどう考えられますか。

リーダーへのヒント:ルカが第一に示すのは、人の子が地上で罪を赦す権威を持つことです(24節)。そこから、人の最も根本的な必要は神との和解である、とまとめることができます。これは、結婚の問題がいつも誰か一人の罪のために起きたという意味ではなく、この人の中風が特定の罪の結果だったとも書かれていません。イエスは罪を赦し、人を再び立ち上がらせるために来られました。

6.(時間に余裕があれば)助けを求めるとき、どのような人が信頼できますか。なぜ問題に関係する人を避ける必要がある場合がありますか。

リーダーへのヒント:信頼できる人は秘密を守り、急いで裁かず、自分にできることとできないことを知り、必要なら専門家につなぎます。教会内で権力を持つ人からの被害、または牧師自身が問題に関係している場合は、利害関係のない人と外部の専門家を求めます。

適用

7. これまで誰かに「運んでもらった」ことがありますか。あるいは誰かを運んだことがありますか。(具体的な問題について話す必要はありません。話したくない人は聞くだけでもかまいません。初めて来た方も話せます)

リーダーへのヒント:助けてもらった経験だけを話し、そのときの問題自体は話さなくてもかまいません。リーダーが先に自分の経験を話します。

8. 今週、自分のために「担架を担う人」を一人見つけますか。あるいは、誰かの担架を担う人になりますか。

リーダーへのヒント:具体的に考えるよう促します。牧師や結婚カウンセラーとの面談を一度約束する。助けを求められる人と機関の一覧を作る。以前より口数が減った友人に「大丈夫?」と尋ねる。次の行動リストにつなげます。

祈りと実践

ともに祈る(約15分)

一人のメンバーにルカ 5:18-20をゆっくり読んでもらい、全員で一分間静かにします。希望する人は一、二文で祈ります。助けを求めて声を上げる勇気を願い、困難の中にある家庭のためにとりなし、自分が人の担架を担う者になれるよう願うことができます。声に出したくない人の黙祷も祈りです。初めて来た方は静かに聞くだけでよく、祈りや意思表示を求められることはありません。最後にリーダーがまとめて、参加者の家庭のためにとりなします。祈りの課題はグループ内にとどめ、繊細な内容はアプリに記録せず、グループチャットにも投稿しません。通常、フォローする前に本人の同意を得て、必要なことだけを一、二文で個別に記録します。ただし、子どもや自分を守れない人の安全、または差し迫った自傷・他害の危険がある場合は、同意を前提とせず、直ちに現地の救急、警察、または適切な保護機関へ連絡してください。

次のように祈り始めることができます(祈りの方向):

主イエスよ、あなたは彼らの信仰を見て、その人の罪を赦し、立ち上がって家へ帰るよう命じました。私たちには、長く抱えたまま、話すことも、誰に話せばよいかも分からない家庭の問題があります。声を上げる勇気を与え、信頼でき、秘密を守れる人を備えてください。私たちのグループと教会を、互いの担架を担い、互いの秘密を守る共同体にしてください。家庭で危険にさらされている人々を守ってください。あなたの御名によって祈ります。アーメン。

今週の行動リスト(約5分)

祈りの後、次の中から一つ選び、今週実行してみましょう。一つで十分です。すぐに選べなくてもかまいません。

記録も報告も必要ありません。よければ次の集まりで話してください。できなかった場合は、妨げになったことを祈りの中で神に伝えましょう。

帰宅後:二人で取り組むこと

夫婦で参加した場合は、帰宅後にそれぞれ考えてから、相手に話します。一人で参加した場合は、問1だけを考え、最初に相談できる信頼できる人を一人考えます。

  1. 私たちの結婚生活について、私はどんなことをずっと外の人に話せずにいましたか。
  2. 助けを求めるなら、二人とも信頼できる人は誰ですか。

分かち合うとき、一人が話し、もう一人はただ聞きます。遮ったり、弁解したりしません。問2は二人で決め、決まったら実際に面談を申し込みます。家庭に暴力や脅しがあり、お金や身分証を管理され、人に会うことを禁じられている場合、または話した後の報復をどちらかが心配している場合、この課題は行いません。これを交渉や相手との対面・話し合いの場にすることもせず、まず行動リストにある方法で一人で助けを求めてください。

さらに話し合いたいなら

「互いに愛し合う:教会というからだの生活」シリーズの「『私は大丈夫』と装わない」(ヤコブ 5:13-16)、または同シリーズの「兄弟姉妹の話を外へ持ち出さない」(箴言 11:9-13)を選べます。

リーダーガイド