裏切られた後 · スモールグループ

結婚の困難な時期を歩む, 第9課. 読む 詩篇 55 篇. 伴侶の不貞を知り、世界が崩れる。「子どものために耐えて」と言う人も、「すぐ離れて」と言う人もいる

中心聖句:詩篇 55 篇

詩篇55篇の詩人は、「わたしをののしる者は敵ではありません……しかしそれはあなたです、わたしと同じ者、わたしの同僚、わたしの親しい友です」と語ります。最も親しい人に裏切られると、痛みは最も深くなります。詩篇は、この痛みと怒りをありのまま神の御前へ持って行くことを許します。イエスも親しい者に裏切られました。主は理解し、次の一歩を歩めるよう支えてくださいます。

はじめに

消しきれずに残ったメッセージ、説明のつかない送金、どう取り繕っても合わないうそ。事実が分かった瞬間、世界が崩れます。何晩も眠れず、食べられず、過去の日々が頭の中で繰り返されます。あの残業も、あの帰省も、そういうことだったのか。怒り、恥、自分への疑いが一度に押し寄せます。周囲からは二通りの声が聞こえます。「子どものために我慢すれば、いずれ過ぎる」と言う人も、「そんな人といる必要があるのか、すぐ別れたほうがいい」と言う人もいます。しかし本人は、明日をどう生きるかさえ分かりません。

詩篇55篇は、裏切られた人の祈りです。表題はダビデの歌としていますが、どの出来事を背景にしているかは記されていません。詩人は深い恐れの中で語り始めます。

わたしの心はわがうちにもだえ苦しみ、死の恐れがわたしの上に落ちました。(詩篇 55:4)

彼は逃げたいと願います。「どうか、はとのように翼をもちたいものだ。そうすればわたしは飛び去って安きを得るであろう」(詩篇 55:6)。逃げたいと思うのは、深く傷ついた人の自然な反応です。詩篇はそれをありのまま記しています。

彼を最も苦しめたのは、外の敵ではありません。

しかしそれはあなたです、わたしと同じ者、わたしの同僚、わたしの親しい友です。(詩篇 55:13)

「われらはたがいに楽しく語らい、つれだって神の宮に上りました」(詩篇 55:14)。心を通わせ、共に礼拝した人だからこそ、傷は最も深くなります。20、21節では、その人が「契約を破った」とされ、「その口は牛酪よりもなめらかだが、その心には戦いがある」と語られます(詩篇 55:21)。これは友についての詩ですが、結婚生活に重ねて読むと、一語一語が自分のことのように感じられる人も多いでしょう。

詩人は非常に厳しい言葉も語り、神に彼らを裁くよう願います(詩篇 55:15、23)。詩篇にこのような言葉があるのは、怒りを神の御手に渡すためであって、自ら復讐するためではありません。パウロも、「自分で復讐をしないで、むしろ、神の怒りに任せなさい」と言います(ローマ 12:19)。裁きを神に委ねることは、何も追及しないことではありません。真実を明らかにし、責任を求め、法的保護を求めることはできます。ただ、憎しみに自分をのみ込ませないのです。

詩人が最後に向かう先は、「しかしわたしが神に呼ばわれば、主はわたしを救われます」という確信です(詩篇 55:16)。夕べにも朝にも真昼にも嘆きうめき、主が声を聞いてくださると信じます。そしてこう語ります。

あなたの荷を主にゆだねよ。主はあなたをささえられる。主は正しい人の動かされるのを決してゆるされない。(詩篇 55:22)

私たちの主も裏切られました。ユダは共に食事をし、共に歩いた弟子でしたが、最後には接吻をもってイエスを裏切りました(ルカ 22:47-48)。イエスは、親しい人に売られる痛みを知っています。それでも十字架へ進み、契約を破る私たちのために命を捨てられました。裏切られた人は、強いふりをせず、この主の御前へ来ることができます。

では、これからどう歩めばよいのでしょうか。結婚について語ったイエスは、離縁について「初めからそうではなかった」と言い(マタイ 19:8)、さらに「不品行のゆえでなくて」と言われました(マタイ 19:9)。多くの教会はこの箇所から、配偶者が姦淫を行った場合、傷つけられた側は離婚することができるが、必ず離婚しなければならないわけではない、と理解しています。教会によって教えや対応には違いがあります。過ちを犯した側が本当に悔い改め、関係を断ち、結果を引き受けるなら、時間をかけて修復される結婚もあります。歩み続けることができない結婚もあります。とどまるにせよ離れるにせよ、神の御前で、牧師や信頼できる人に伴われながら慎重に歩む道です。他人が本人に代わって決めたり、急がせたりしてはいけません。

その前に、まずできる具体的なことがあります。信頼できる人にそばにいてもらい、起きたことを話します。自分の体をいたわり、必要なら病院で検査を受けます。衝撃の中で一人で急いで大きな決断はしません。ただし、安全、医療、子ども、財産、期限のある法的手続きが関わるなら、速やかに独立した専門家の意見を求め、保護のために必要な措置を取ります。子どもを伝言役や駆け引きの道具にしません。

学びのポイント

1. 表題と背景。 表題はこの詩をダビデの歌としますが、どの裏切りを背景にしたかは記されていません。特定の歴史的出来事を勝手に当てはめません。

2. 逃げたい気持ちは現実のものです。 6-8節で詩人は、はとのような翼を得て遠くへ逃れ、野に宿りたいと願います。詩篇はこの感情を責めません。

3. 「しかしそれはあなたです」。 12-14節では、敵であれば忍ぶこともできるが、最も深く傷つけたのは親しい同僚であり、共に神の宮へ上った友だと語ります。

4. 神に裁きを求める言葉。 15節と23節は、詩人が怒りを神に渡す祈りです。新約も、自分で復讐せず(ローマ 12:19)、迫害する者のために祈るよう教えます(マタイ 5:44)。どちらも裁きを神に委ねます。

5. 「主にゆだねよ」。 22節は、荷を主に委ねれば、主が支えてくださると語ります。「支える」とは養い、持ちこたえさせることであり、困難がただちに消えるという意味ではありません。

分かち合い

オープニング(約10分)

最初にひとこと(リーダーが読み上げます)

このグループで聞いた話を、外へ持ち出して言いふらすことはしません。ただし、例外があります。現在進行中の危害、子どもや弱い立場の人の安全、または自分や他人を今すぐ傷つける危険が関わる場合、リーダーは完全な秘密を約束できません。通常は、まずできる限り本人と相談し、実際に助けられる人に必要な情報だけを伝えます。子どもや自分を守れない人が関わる場合、または差し迫った危険がある場合は、同意を前提とせず、状況に応じて牧師、資格のある専門家、現地の警察、救急・医療機関へ連絡します。差し迫った危険があるときはその場で助けを求め、本人を一人にしないでください。

アイスブレイク:子どものころ、誰かに「ばらされる」のが一番怖かったのはどんなことですか。(先生や親に告げ口されることなど。初めて来た方も話せます)

リーダーへのヒント:気軽に、思わず笑ってしまうような小さな秘密を例にします。最後に、「親しい人に話されるほど、つらいものです」とまとめます。

この課の振り返り(リーダーが読み上げます。約1分。予習していない人のためです)

この課では詩篇55篇を読みます。詩人は、神よ、祈りを聞いてください、心はもだえ苦しみ、死の恐れが臨んでいる、はとのような翼があれば飛び去って安きを得るのに、と語ります。ののしる者は敵ではありません。敵なら忍べます。しかしそれは、同じ者、同僚、親しい友であり、楽しく語らい、共に神の宮へ上った人でした。その人は契約を破り、口は牛酪よりなめらかでも、心には戦いがあります。しかし詩人は神に呼ばわり、主が救ってくださると信じます。荷を主に委ねれば、主が支えてくださいます。あわせて読むマタイ19章で、イエスは、モーセが心のかたくなさのために離縁を許したが、初めからそうではなく、不品行のゆえでなく妻を出してほかの女をめとる者は姦淫を行う、と語ります。今日は、最も親しい人に裏切られた後の歩みを一緒に考えます。

観察

1. 1-8節を読みます。詩人の心はどのような状態ですか。彼は何をしたいと言っていますか。

リーダーへのヒント:嘆き、不安になり、心はもだえ苦しみ、死の恐れ、恐れとおののきに覆われています。はとのような翼を得て、遠く野へ逃れ、安きを得たいと言います。

2. 12-14節と20-21節を読みます。詩人を最も苦しめたのは誰ですか。その人をどう表現していますか。

リーダーへのヒント:敵ではなく、自分と同じ者、同僚、親しい友であり、共に語らい、神の宮へ上った人です。その人は契約を破り、口は牛酪よりなめらかでも心には戦いがあり、言葉は油より柔らかくても、抜いた剣です。

3. 16-19節と22-23節を読みます。最後に詩人は何をしますか。22節は何と語っていますか。

リーダーへのヒント:神に呼ばわり、夕べ、朝、真昼に嘆き、神が聞いて救ってくださると信じます。22節は、荷を主に委ねれば、主が支えてくださると語ります。23節で詩人は「しかしわたしはあなたに寄り頼みます」と言います。

解釈

4. 12-14節で詩人は、敵であれば忍べたが「しかしそれはあなたです」と言います。最も親しい人からの裏切りは、なぜこれほど深く痛むのでしょうか。詩篇は、この痛みをどのように神の御前へ持って行くことを許していますか。

リーダーへのヒント:この課の中心となる問いです。時間を十分に取ってください。親しいほど多くを委ねており、壊れたときの傷も深く、過去のよい思い出まで疑わしくなります。詩篇は、痛み、逃げたい気持ち、怒りをありのまま、繰り返し語ることを許します。神はそのような祈りを退けません。イエスも同じ食卓についた弟子に裏切られ、この痛みを理解しておられることにも触れられます(ルカ 22:47-48)。

5. 詩人は15節と23節で非常に厳しい言葉を語ります。裏切られた人は、どのように怒りを神へ渡せますか。「自分で復讐をしないで」(ローマ 12:19)という教えと、「何も追及しない」ことは、どう違いますか。

リーダーへのヒント:これらは神に向けた言葉です。裁きを神に委ねるのであり、自ら復讐したり、外で言いふらして攻撃したりすることではありません。裁きを神に委ねても、真実を語り、相手に責任を求め、法的保護を求めることはできます。ただ、憎しみに自分をのみ込ませません。

6.(時間に余裕があれば)イエスは離縁について「初めからそうではなかった」、また「不品行のゆえでなくて」と語ります(マタイ 19:8-9)。配偶者の不貞を知った後、とどまる道も離れる道も、神の御前でどのように慎重に歩む必要がありますか。なぜグループが本人に代わって決めてはいけないのでしょうか。

リーダーへのヒント:多くの教会は、この箇所から傷つけられた側は離婚できるが、必ず離婚しなければならないわけではないと理解します。教会によって教えは異なります。修復には、過ちを犯した側の真実な悔い改め、関係を断つこと、結果を引き受けることが必要で、信頼の回復には時間がかかります。離れる場合も、子ども、財産、安全について伴いが必要です。人生に関わる決断なので、牧師や信頼できる人と祈り、相談します。グループの役目は伴うことであり、裁判官になることではありません。

適用

7. 身近な友人が配偶者の不貞を知ったとき、どんな言葉が特に傷つけますか。どんな寄り添いが助けになりますか。(具体的な人について話しません。話したくない人は聞くだけでもかまいません。初めて来た方も話せます)

リーダーへのヒント:傷つける言葉には、「あなたにも責任があるのでは」「男はみんなそう」「子どものために我慢して」「私ならすぐ別れる」などがあります。助けになるのは、そばにいて聞き、具体的なことを手伝い、牧師やカウンセラーにつなぐことです。話すうちに自分の経験を打ち明けた人がいたら、そこで止まり、感謝を伝え、集会後に個別に寄り添います。

8. 今週、自分のため、または裏切りを経験している友人のために、何を一つしたいですか。

リーダーへのヒント:具体的に考えるよう促します。心の言葉を神への祈りとして書く。牧師との面談を約束する。友人と食事をし、助言せずに聞く。次の行動リストにつなげます。

祈りと実践

ともに祈る(約15分)

一人のメンバーに詩篇 55:12-17と55:22をゆっくり読んでもらい、全員で二分間静かにします。希望する人は一、二文で祈ります。心の痛みを神に正直に語り、裏切りを経験している家庭のためにとりなし、次の一歩を歩む知恵を願うことができます。声に出したくない人の黙祷も祈りです。初めて来た方は静かに聞くだけでよく、祈りや意思表示を求められることはありません。最後にリーダーがまとめて、参加者の家庭のためにとりなします。祈りの課題はグループ内にとどめ、繊細な内容はアプリに記録せず、グループチャットにも投稿しません。通常、フォローする前に本人の同意を得て、必要なことだけを一、二文で個別に記録します。ただし、子どもや自分を守れない人の安全、または差し迫った自傷・他害の危険がある場合は、同意を前提とせず、直ちに現地の救急、警察、または適切な保護機関へ連絡してください。

次のように祈り始めることができます(祈りの方向):

神よ、私たちの祈りに耳を傾けてください。最も親しい人に裏切られ、言葉にできないほど痛み、はとのように飛び去りたいと願う心を、あなたはご存じです。主イエスよ、あなたも同じ食卓についた人に裏切られました。あなたは理解してくださいます。この荷をあなたに委ねます。どうか私たちを支え、憎しみにのみ込まれないよう守ってください。復讐はあなたのものです。公義をもって決着をつけてください。傷ついた人に寄り添う人と知恵を与え、過ちを犯した人には真実な悔い改めを与えてください。家庭の子どもたちもお守りください。イエスの御名によって祈ります。アーメン。

今週の行動リスト(約5分)

祈りの後、次の中から一つ選び、今週実行してみましょう。一つで十分です。すぐに選べなくてもかまいません。

記録も報告も必要ありません。よければ次の集まりで話してください。できなかった場合は、妨げになったことを祈りの中で神に伝えましょう。

帰宅後:一人で取り組むこと

この課の課題は一人で取り組むものです。夫婦で話すか、どのように話すかは、まず牧師または結婚カウンセラーと相談し、誰かに同席してもらって話します。家庭で二人きりのまま突然対決しません。

  1. この出来事について、私が最も誰かに知ってほしいことは何ですか。最初に誰へ話せますか。
  2. 今、神に一番伝えたい一言は何ですか。

書き留め、それを祈りにしてください。書けなくなったら止め、別の日に続けます。家庭に暴力や脅しがあり、お金や身分証を取り上げられたり、自分で管理できないようにされたりしている場合、人に会うことを禁じられている場合、または話した後の報復をどちらかが心配している場合、この課題は行いません。これを交渉や対決の場にすることもせず、まず行動リストにある方法で一人で助けを求めてください。

さらに話し合いたいなら

「平和な夫婦関係」シリーズの「赦しと修復、そして安全」(マタイ 18:21-35)、または「人生のさまざまな境遇」シリーズの「身内に裏切られた」(創世記 37:12-36)を選べます。

リーダーガイド