都市と地域社会で地の塩、世の光となる, 第3課. 読む エレミヤ書 29:4-7. 大都市に一時滞在している感覚で、ここを稼ぐための足場としか見ず、機会があれば去ろうとする
中心聖句:エレミヤ書 29:4-7
捕囚の民に宛てた神の手紙は、ごく日常的な命令から始まります。**家を建て、畑を作り、妻をめとって子どもを産むこと**です。そして、意外な言葉が続きます。**「わたしがあなたがたを捕え移させたところの町の平安を求め、そのために主に祈るがよい。その町が平安であれば、あなたがたも平安を得るからである。」**
ある場所に住みながら、心はそこにない――これは多くの人にとって珍しいことではありません。家は借り物、仕事は一時的、友人は職場の同僚だけ。機会があればすぐに去るのだから、去るまでのことにそれほど真剣にならなくてもよい、と考えてしまいます。
この「仮住まい」の意識は、少しずつ信仰にも入り込みます。どうせここは自分の家ではない。自分のことだけきちんとしていればよい、という思いです。
エレミヤ書29章の手紙は、私たち以上にそう考える理由のあった人々に宛てられました。
まず、その人々の境遇を見ましょう。この手紙は「すべて捕え移された者、すなわち、わたしがエルサレムから、バビロンに捕え移させた者」(エレミヤ 29:4)に宛てられています。彼らは捕囚の民であり、無理やり連れて来られた町にいたのです。しかも聖書は、神が彼らをそこへ捕え移させたとはっきり述べています。
では、神は何を命じられたのでしょうか。
あなたがたは家を建てて、それに住み、畑を作ってその産物を食べよ。(エレミヤ 29:5)
妻をめとって、むすこ娘を産み、また、そのむすこに嫁をめとり、娘をとつがせて、むすこ娘を産むようにせよ。その所であなたがたの数を増し、減ってはならない。(エレミヤ 29:6)
これらがどれほど具体的で、長い年月を見据えたことかに目を留めてください。 家を建てるのは仮の天幕を張ることではなく、畑を作れば実りを待つのに何年もかかります。「そのむすこに嫁をめとり」は、次の世代にまで及ぶ話です。 神は、ここで日々を大切に生き、次の世代まで暮らしなさいと言っておられます。
そして、次の一節が続きます。
わたしがあなたがたを捕え移させたところの町の平安を求め、そのために主に祈るがよい。その町が平安であれば、あなたがたも平安を得るからである。(エレミヤ 29:7)
「その町」とは、彼らを捕え移したバビロンです。 神はそのような町の平安を求めるよう命じられました。理由も現実的です。「その町が平安であれば、あなたがたも平安を得るから」です。 彼らの幸いは、この町の幸いと結びついていました。
⚠️ ここで二つ、はっきりさせておく必要があります。
第一に、この手紙には特定の歴史的状況があります。 神は同じ章で、捕囚には定められた期間があり、やがて彼らを連れ帰るとも告げておられます。エレミヤがこの手紙を書いたのは、「すぐに帰れる」と語る当時の偽預言者を退けるためでした。 ですから、どの町も単純にバビロンと同一視することはできません。また、この数節を「神はあなたをこの町で繁栄させると約束しておられる」と読むこともできません。 第二に、「平安を求める」ことは、その町のすべてを肯定することではありません。 ダニエルはバビロンで務めを果たしましたが、王の食物で自分を汚すまいと心に決めました(ダニエル 1:8)。彼の三人の仲間も金の像を拝むことを拒みました(ダニエル 3:12)。町の平安を求めることと、町のすべてに従うことは別です。
新約聖書も、信者に、落ち着いて責任を果たし、外部の人々に対して品位ある生活をするよう勧めています。
そして、あなたがたに命じておいたように、つとめて落ち着いた生活をし、自分の仕事に身をいれ、手ずから働きなさい。そうすれば、外部の人々に対して品位を保ち、まただれの世話にもならずに、生活できるであろう。(テサロニケ第一 4:11-12)
「つとめて落ち着いた生活をし、自分の仕事に身をいれ、手ずから働きなさい」――これは声高に語らなくても伝わる証しです。「外部の人々に対して品位を保ち」――私たちがどのように日々を生きているかを、周りの人は見ています。
具体的には、次のようなことです。
一、日々の暮らしをもう少し大切にすること。 家を整え、仕事を丁寧にし、近所の人にあいさつすることは、信仰と無関係なささいな事柄ではありません。今いる場所で誠実に暮らし、その平安を求める具体的な応答になり得ます。 二、今いる場所のために祈ること。 この町(あるいは地域や村)の平安、その地域の行政、学校や病院、ここに住む人々のために祈ります。「その町が平安であれば、あなたがたも平安を得るから」です。 三、「一時的だから」を言い訳にしないこと。 本当に二年しか住まないとしても、その二年も神から与えられた二年です。 四、証しはしばしば「品位を保つ」生活に現れること。 時間を守る、約束を守る、仕事をきちんと仕上げる――これらはどこででも伝わります。
ですから、この課の要点は、今住んでいる場所で忠実に暮らし、その場所の平安を求めることです。⚠️ この箇所は、虐待や支配など危険な状況にとどまるよう求めてはいません。身を守るために助けを求めたり、そこを離れたりすることは、この御言葉に背くことではありません。
1. 手紙の受取人は捕囚の民です。 彼らは無理やり連れて来られた町にいました。
2. 「わたしが……捕え移させた」。 この出来事が神の御手のうちにあったことを、聖書ははっきり述べています。
3. 命令はどれも具体的で、長い年月を見据えています。 家を建て、畑を作り、息子に嫁を迎える――次の世代までそこで暮らすのです。
4. 「その町」はバビロンです。 神は、彼らを捕え移した町の平安を求めるよう命じられました。
5. 理由はとても現実的です。 「その町が平安であれば、あなたがたも平安を得るから」です。
6. この手紙には特定の歴史的状況があります。 同じ章には捕囚の期間も示されています。この手紙は、「すぐに帰れる」という偽りを退けるものでした。
7. 「平安を求める」ことは、その町のすべてを肯定することではありません。 ダニエルはバビロンで務めを果たしながら、王の食物で自分を汚すまいと心に決めました。三人の仲間も金の像を拝むことを拒みました。
アイスブレイク:今の場所に住んでどれくらいになりますか。最初は長く住むつもりでしたか、それとも一時的なつもりでしたか。(初めて参加する方も話せます)
リーダーへのヒント:気軽に話してください。「二年のつもりが、気づけば八年住んでいる」という答えもよくあります。この問いが後の話につながります。
この課の振り返り(リーダーが読みます。約1分。予習していない人のためです)
この課で読むのはエレミヤ書29章4節から7節です。「万軍の主、イスラエルの神は、すべて捕え移された者、すなわち、わたしがエルサレムから、バビロンに捕え移させた者に、こう言う、あなたがたは家を建てて、それに住み、畑を作ってその産物を食べよ。妻をめとって、むすこ娘を産み、また、そのむすこに嫁をめとり、娘をとつがせて、むすこ娘を産むようにせよ。その所であなたがたの数を増し、減ってはならない。わたしがあなたがたを捕え移させたところの町の平安を求め、そのために主に祈るがよい。その町が平安であれば、あなたがたも平安を得るからである。」関連箇所はテサロニケ人への第一の手紙4章です。「そして、あなたがたに命じておいたように、つとめて落ち着いた生活をし、自分の仕事に身をいれ、手ずから働きなさい。そうすれば、外部の人々に対して品位を保ち、まただれの世話にもならずに、生活できるであろう。」今日は一緒に、「住んでいる町の平安を祈る」ことについて分かち合います。
1. 4節を読みます。この手紙は誰に宛てられましたか。彼らがどのようにしてそこへ来たと書かれていますか。
リーダーへのヒント:捕え移されたすべての人、すなわちエルサレムからバビロンへ捕え移された人々です。「わたしが……捕え移させた」とあります。
2. 5-6節を読みます。神は彼らに何をするよう命じられましたか。それにはどれほどの年月が必要でしょうか。
リーダーへのヒント:家を建てて住むこと、畑を作ってその産物を食べること、妻をめとって子どもを産むこと、息子に嫁を迎え、娘を嫁がせ、子どもを産ませて数を増すことです。どれも次の世代まで続く、長い年月を要することです。
3. 7節とテサロニケ第一 4:11-12を読みます。どの町の平安を求めるのでしょうか。その理由は何ですか。テサロニケ第一の二節には、何をするよう書かれていますか。
リーダーへのヒント:「わたしがあなたがたを捕え移させたところの町」の平安です。理由は、その町が平安であれば、彼らも平安を得るからです。テサロニケ第一には、つとめて落ち着いた生活をし、自分の仕事に身を入れ、手ずから働き、外部の人々に対して品位を保つことが書かれています。
4. 神は、彼らを捕え移した町の平安を求めるよう命じられました。この命令の何が難しかったのでしょうか。なぜ神はそう命じられたのでしょうか。
リーダーへのヒント:この課の中心となる問いです。十分に時間を取ってください。感情のうえで受け入れにくかったはずです。彼らの幸いがその町の幸いと結びついており、神が彼らをそこに置かれたからです。私たちは自分の住む場所のために祈ったことがあるか、と尋ねてもよいでしょう。
5.(時間に余裕がある場合)「家を建て、畑を作り、息子に嫁を迎える」という命令は、なぜ注目に値するのでしょうか。
リーダーへのヒント:どれも長期を見据えたことです。神は、天幕を張って出発を待つのではなく、本当にそこに住むよう求められました。「仮住まい」という意識が私たちの生活にどのような影響を与えるかを話してもよいでしょう。
6. 「その町の平安を求める」ことと、「その町のすべてを肯定する」ことを、どう区別できますか。
リーダーへのヒント:ダニエルはバビロンで務めを果たしましたが、王の食物で自分を汚すまいと心に決めました。三人の仲間も金の像を拝むことを拒みました。平安を求めるとは、その場所とそこに住む人々のために良いことを願うことであり、識別を手放すことではありません。どちらか一方に偏らないよう、リーダーがここで明確にしてください。また、この箇所が虐待や危険な状況にとどまるよう求めてはいないことも伝えてください。
7. 今住んでいる場所を、心の中で「自分の家」と思っていますか、それとも「仮住まい」と思っていますか。(具体的に話してください。初めて参加する方も話せます)
リーダーへのヒント:まずリーダー自身が話してください。誰の答えも評価しないでください。本当に短期間だけそこに住む人もいます。
8. 今週、今いる場所のために何を一つしたいですか。また、何のために祈りたいですか。
リーダーへのヒント:具体的であるほどよいでしょう。近所の人にあいさつする、共用部分を整える、地域の学校や病院のために祈る、よく顔を合わせる人のために祈る、などです。このあとの行動リストも、これに沿って選びます。
まず一人の方がエレミヤ 29:5-7をゆっくり読み、二分間静かにします。それぞれが心の中で、自分の住む場所のために祈りましょう。希望する方は一言か二言祈ってください。声に出したくない方は、黙って祈ることも祈りです。初めて参加する方は静かに聞いているだけでよく、祈ったり信仰を表明したりする必要はまったくありません。最後に、リーダーが皆とともに、今いる場所の平安を求めて祈ります。祈りの課題はグループ内にとどめ、デリケートな内容はアプリやグループチャットに書きません。通常、後で支援する場合はまず本人の同意を得て、必要な一、二文だけを個別に記録します。ただし、子どもや自分を守れない人の安全に関わる場合、または自傷・他害の差し迫った危険がある場合は、本人の同意を前提とせず、直ちに現地の救急、警察、または適切な保護機関に連絡してください。
次のように始めることができます(祈りの方向):
主よ、あなたは捕囚の民に、「あなたがたは家を建てて、それに住み、畑を作ってその産物を食べよ」と言われました。また、「わたしがあなたがたを捕え移させたところの町の平安を求め、そのために主に祈るがよい。その町が平安であれば、あなたがたも平安を得るからである」とも言われました。私たちは、自分のいる場所をしばしば一時的な足場としか考えず、そこに心を向けず、そのために祈ろうともしないことを告白します。今住んでいる場所に腰を据え、日々を大切にし、落ち着いた生活をして、自分の仕事に身を入れ、手ずから働けるようにしてください。また、危険の中にいる人々を守り、逃れる道を開いてください。この場所と、ここに住む人々に平安をお与えください。イエスの御名によって祈ります。アーメン。
祈りのあと、下の項目から一つを選び、今週行ってみましょう。一つで十分です。すぐに選べなくてもかまいません。
記録も報告も必要ありません。よければ次の集まりで話してください。できなかった場合は、何が妨げになったかを祈りに持っていきましょう。
イザヤ 58:6-12を扱う「あわれみと公正」、またはマタイ 9:35-38を扱う「この町の人々に目を向ける」の課を選ぶことができます。