賜物を見いだし、仕える場所を見つける, 第3課. 読む コリント人への第一の手紙 13 章. 能力が高いほど関係を傷つけ、「これは自分の賜物だから」と高慢を正当化する
中心聖句:コリント人への第一の手紙 13 章
パウロはまず、考えられる最大限の能力を並べます。人々の言葉や御使たちの言葉、山を移す信仰、全財産を人に施すことです。それから「もし愛がなければ、わたしは無に等しい」と言います。この章は結婚式で読まれる美文として書かれたのではありません。賜物について語る二つの章に挟まれ、賜物は多くても人間関係がひどく傷んでいた人々に宛てられています。
付き合うのが難しい人の中には、とても有能な人がいます。話すのも上手で、仕事も速く、判断も的確です。しかし一緒に働く人は次々と傷ついていきます。だれかがそのことを指摘すると、しばしば、こんな決まり文句を口にします。「わたしはこういう人間だから」「これはわたしの賜物なのだから、受け入れてほしい」。
コリント人への第一の手紙13章は、まさにこのような状況に向けて書かれています。まず、この章が置かれている位置を見てください。 前の12章は賜物について語り、後の14章も引き続き賜物について語っています。その間に13章があります。これは途中に挿入された叙情的な文章ではなく、賜物についてのパウロの軌道修正です。
初めの三節で、パウロは三度続けて能力を極限まで挙げ、そのたびに「もし愛がなければ」と付け加えます。
「たといわたしが、人々の言葉や御使たちの言葉を語っても、もし愛がなければ、わたしは、やかましい鐘や騒がしい鐃鉢と同じである。」(第一コリント13:1) 「たといまた、わたしに預言をする力があり、あらゆる奥義とあらゆる知識とに通じていても、また、山を移すほどの強い信仰があっても、もし愛がなければ、わたしは無に等しい。」(第一コリント13:2) 「たといまた、わたしが自分の全財産を人に施しても、また、自分のからだを焼かれるために渡しても、もし愛がなければ、いっさいは無益である。」(第一コリント13:3)
この三つの言葉の重みを心に留めてください。 三つ目に挙げられている二つは、きわめて大きな犠牲です。それさえも、愛なしに行われることがあり得ます。 パウロが言っているのは、愛がなければ、どれほど目立つ賜物も奉仕する人を高くはしないということです。大きな犠牲を払ったとしても、そのことを理由に神の前で誇れるものを得るわけではありません。
次は4-7節です。あまりによく知っているため、読み流しやすい箇所です。読むとき、「愛」のところに自分の名前を入れ、一つずつ読んでみてください。 愛は寛容であり、情深く、ねたまず、高ぶらず、誇らず、不作法をせず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みをいだきません。不義を喜ばないで真理を喜び、すべてを忍び、信じ、望み、耐えます(第一コリント13:4-7)。
ここに並ぶ多くのことは、人間関係の中に表れる態度や行動です。 しかも半分ほどは「しない」という形です。ねたまない、高ぶらない、誇らない、自分の利益を求めない、いらだたない、恨みをいだかない。競い合い、誇り合っていたコリント教会が向き合うべき人間関係の問題が、まさにここにあります。 そして、奉仕するすべての人が自分を省みるに値することです。
続いて8節からは対比が始まります。「愛はいつまでも絶えることがない。しかし、預言はすたれ、異言はやみ、知識はすたれるであろう。」(第一コリント13:8)パウロが明確に名を挙げるのはこの三つです。今の私たちの知識はなお一部分にすぎませんが、愛は絶えることがありません。 続いて二つの情景が語られます。おとなになると幼な子らしいことを捨てるという情景(第一コリント13:11)と、「わたしたちは、今は、鏡に映して見るようにおぼろげに見ている。しかしその時には、顔と顔とを合わせて、見るであろう」という情景です(第一コリント13:12)。
最後の節は、三つのものの順序を示します。
このように、いつまでも存続するものは、信仰と希望と愛と、この三つである。このうちで最も大いなるものは、愛である。(第一コリント13:13)
二つのことをはっきりさせておきましょう。
第一に、パウロは賜物を否定していません。 12章では、御霊が賜物を各自に分け与えると言い、14章でも霊の賜物を熱心に求めるよう勧めています。彼が退けているのは、賜物と愛を切り離すことです。 第二に、「すべてを忍び、すべてを信じる」とは、傷つけられることに耐え続けよという意味ではありません。 これらは人に向き合う心を語る言葉であり、境界を設けず、責任も問わないということではありません。抑圧、侵害、続いている被害があるなら、身を守り、助けを求め、聖書に沿って対処すべきです。それ自体が愛の求めることです。
もう一つ、最も大切なことがあります。この章は、自責の念と意志の力だけで基準に達するよう私たちに命じるものではありません。 この章は、キリストが先に与えてくださった愛へ私たちを連れ戻します。キリストは私たちを愛し、私たちのためにご自身をささげられました。赦された者は、聖霊に新しくされて初めて、人間関係の中で寛容、情深さ、真理を身につけていきます。
ですから、だれかが「これはわたしの賜物だから」と言って自分の高ぶりを正当化するなら、この章の答えは明確です。愛がなければ、その賜物がその人を高くすることはなく、その人自身も「無に等しい」のです。 そして奉仕するすべての人に、この章が問うのは「どれだけ成し遂げたか」だけではなく、**「わたしと一緒に働いた人たちは、この一年をどのように過ごしたか」**ということです。
1. この章が置かれている位置は重要です。 前後の章はどちらも賜物について語っています。その間に置かれたこの章は、賜物についての軌道修正であって、叙情的な文章ではありません。
2. 三度、能力を極限まで挙げています。 「自分のからだを焼かれるために渡す」ことさえ、愛なしに行われることがあり得ます。
3. 結論は「無に等しい」「いっさいは無益である」です。 パウロが言っているのは、賜物は奉仕する人を高くせず、その人が誇れるものを得るわけでもないということです。賜物そのものや、客観的に生じた実りまでゼロになるという意味ではありません。
4. 4-7節の多くは、人間関係の中の態度や行動です。 半分ほどは「しない」という形です。ねたまない、高ぶらない、誇らない、自分の利益を求めない、いらだたない、恨みをいだかない。
5. パウロが名を挙げる三つの賜物には、終わる時が来ます。 預言、異言、知識です。今の私たちの知るところはなお一部分ですが、愛は絶えることがありません。
6. パウロは賜物を否定していません。 12章では御霊が賜物を分け与えると言い、14章では熱心に求めるよう勧めています。彼が退けるのは、賜物と愛を切り離すことです。
7. 「すべてを忍び、すべてを信じる」とは、傷つけられることに耐え続けよという意味ではありません。 これらは人に向き合う心を語ります。抑圧や侵害があるなら、身を守り、助けを求めること自体が愛の求めることです。
はじめに一言(リーダーが読み上げます)
グループで話されたことを、外で言い広めることはしません。ただし、例外があります。現在進行中の被害、子どもや弱い立場にある人の安全、または今すぐ自分や他人を傷つける危険が関わる場合、リーダーは完全な秘密を約束できません。通常はまず本人とできる限り相談し、実際に助けられる人に必要な情報だけを伝えます。子どもや自分を守れない人が関わる場合、または差し迫った危険がある場合は、同意を得ることを前提とせず、状況に応じて牧師、資格のある専門家、地域の警察、救急・医療機関に連絡します。差し迫った危険があるときは、その場で助けを求め、本人を一人にしないでください。
ウォームアップ:第一コリント13章を、どこで聞いたことがありますか。(結婚式、カード、映画でもかまいません。初めて来た方も話せます)
リーダーへのヒント:気楽に話してください。多くの人は「結婚式」と答えるでしょう。この後、本来の文脈を読むと大きな違いが見えてきます。後の分かち合いへの導入となる問いです。
この課の振り返り(リーダーが読み上げます。予習していない人のために、約1分)
この課では、コリント人への第一の手紙13章を読みました。パウロは、人々の言葉や御使たちの言葉を語っても、愛がなければ、やかましい鐘や騒がしい鐃鉢と同じだと言います。預言する力があり、あらゆる奥義と知識に通じ、山を移すほどの信仰があっても、愛がなければ無に等しいのです。全財産を人に施し、自分のからだを焼かれるために渡しても、愛がなければ、いっさいは無益です。愛は寛容で情深く、ねたまず、高ぶらず、誇らず、不作法をせず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みをいだきません。不義を喜ばないで真理を喜び、すべてを忍び、信じ、望み、耐えます。愛はいつまでも絶えることがありません。預言はすたれ、異言はやみ、知識はすたれます。今は鏡に映して見るようにおぼろげですが、その時には顔と顔とを合わせて見ることになります。いつまでも存続するものは信仰と希望と愛で、このうち最も大いなるものは愛です。今日は、愛がなければ賜物は方向を失うことについて、ともに分かち合います。
1. 1-3節を読みます。パウロはどのような力を挙げていますか。それぞれの文の結論は何ですか。
リーダーへのヒント:人々の言葉と御使たちの言葉、預言する力、あらゆる奥義と知識、山を移すほどの信仰、全財産を人に施すこと、自分のからだを焼かれるために渡すことです。結論は、やかましい鐘や騒がしい鐃鉢と同じ、無に等しい、いっさいは無益である、です。
2. 4-7節を読みます。「しない」という形の言葉はいくつありますか。数えてみてください。
リーダーへのヒント:ねたまない、高ぶらない、誇らない、不作法をしない、自分の利益を求めない、いらだたない、恨みをいだかない、不義を喜ばない。これらの多くが人間関係に関わることにも注目してもらえます。
3. 8-13節を読みます。何がすたれ、またはやみますか。いつまでも存続する三つのものは何ですか。
リーダーへのヒント:預言はすたれ、異言はやみ、知識はすたれます。いつまでも存続するものは信仰、希望、愛で、最も大いなるものは愛です。
4. この章は、賜物について語る二つの章の間にあります。この位置を知ると、読み方はどのように変わりますか。
リーダーへのヒント:この課の中心となる問いです。十分に時間を取ってください。これは叙情的な文章ではなく、賜物についての軌道修正です。賜物と愛を切り離すことはできません。私たちは普段、奉仕が良かったかどうかを、何によって測っているでしょうか。
5.(時間があれば)なぜパウロは、「自分のからだを焼かれるために渡す」ことまで含めたのでしょうか。
リーダーへのヒント:きわめて大きな犠牲でさえ、愛なしに行われることがあり得るからです。愛は行動の大きさではなく、その内にある真実に関わります。ここで、だれに愛があるかを追及せず、自分のことを話してください。
6. 「すべてを忍び、すべてを耐える」と「不義を喜ばないで真理を喜ぶ」を一緒に読むとき、傷つけられる状況の中で、愛は忍耐、真理、自分を守ること、責任を問うことをどのように同時に含みますか。
リーダーへのヒント:これらは人に向き合う心を語る言葉であり、境界や責任をなくすものではありません。抑圧、侵害、続いている被害があるなら、身を守り、助けを求め、聖書に沿って対処すべきです。それ自体が愛の求めることだと、はっきり伝えてください。
7. 4-7節を読み、どの一つについて神の助けが最も必要だと感じますか。(よければ、一言だけ話してください。初めて来た方も話してみることができます)
リーダーへのヒント:まずリーダーが一言で答えます。話したい人だけが一言で答え、ほかの人は詳しく聞いたり慰めたりしません。結論を出す必要も、自分を裁く必要もありません。
8. 今週、どの人間関係の中で、その一つを実践したいですか。
リーダーへのヒント:できるだけ具体的にしましょう。ある人への恨みをいだかない、ある事について自分の利益を求めない、返信する前に十秒止まる、などです。次の行動リストも、これに沿って選びます。
まず一人に第一コリント13:4-7をゆっくり読んでもらい、三分間静まります。一人ひとりが心の中で「愛」のところに自分の名前を入れてもう一度読み、最も心に刺さる一文を選んで主に語ってください。祈りたい人は一、二文で祈ります。声に出したくない人は、黙って祈っても同じく祈りです。初めて来た方は、静かに聞いているだけでよく、祈ったり意思表示をしたりする必要はまったくありません。最後にリーダーがまとめ、グループの一人ひとりの人間関係のために祈ります。祈りの課題はグループ内にとどめ、デリケートな内容はアプリにもグループチャットにも書きません。通常、継続して支える必要がある場合はまず本人の同意を得てから、必要なことを一、二文だけ非公開で記録します。ただし、子どもや自分を守れない人の安全、または今すぐ自分や他人を傷つける危険に関わる場合は、同意を前提とせず、直ちに地域の救急、警察、適切な保護機関へ連絡します。
次のように始めることができます(祈りの方向):
主よ、たとい人々の言葉や御使たちの言葉を語り、あらゆる奥義に通じ、全財産を人に施しても、愛がなければ無に等しいことを認めます。私たちは、どれほど成し遂げたかばかりを見て、一緒に働く人がどのように過ごしているかをほとんど問いません。どうか私たちの内に愛を置いてください。寛容で情深く、ねたまず、高ぶらず、誇らず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みをいだかない愛を与えてください。預言、異言、知識はすたれ、またはやみますが、あなたの愛はいつまでも絶えることがありません。あなたは先に私たちを愛し、私たちのためにご自身をささげてくださいました。私たちのすべての働きが、この愛から出るものとなりますように。イエスの御名によって祈ります。アーメン。
祈りの後、下から一つ選んで今週行ってください。一つで十分です。今すぐ選べなくてもかまいません。
記録も報告も必要ありません。よければ、次の集まりで話してください。できなかった場合は、どこで難しさを感じたかを祈りのうちに神へ持っていきましょう。
第一コリント12:4-27を扱う「からだの一人ひとりに賜物がある」の課、またはローマ12:3-8を扱う「賜物を見分け、レッテルに縛られない」の課を選ぶことができます。