小グループのリーダー:小さな群れを牧する, 第3課. 読む テサロニケ人への第一の手紙 5:11-15. にぎやかでも本音は言えず、誰かが分かち合うとすぐグループチャット全体に広がる
中心聖句:テサロニケ人への第一の手紙 5:11-15
パウロは、それぞれ違う応答が必要な三つの状態を挙げます。「怠惰な者を戒め、小心な者を励まし、弱い者を助け、すべての人に対して寛容でありなさい。」**方法を取り違えると、よい言葉でも人を傷つけます。** 安全で正直な小グループは、目の前の人が今、何を必要としているかを時間をかけて理解するところから始まります。
にぎやかでも、安全ではない小グループがあります。表面からは分かりません。皆が時間どおりに集まり、雰囲気もよく、笑い声もたくさんあります。それでも、「最近どうですか」と聞かれると、全員が「元気です。少し忙しいだけです」と答えます。
安全でなくなる原因は、多くの場合、二つあります。
一つは、話したことが外へ伝わることです。 先週、誰かが家庭の悩みを話したのに、今週になるとグループチャット全体が知っています。このようなことが一度起きるだけでも、人は本当のことをしまい込むようになります。リーダーは、その理由に気づかないかもしれません。 もう一つは、本当のことを話すと、すぐに「処理」されることです。 自分の弱さを話した途端、三つの助言、二箇所の聖句、「祈らなければ」という一言が返ってきます。勧められること自体を恐れているとは限りません。多くの場合、直すべき問題としてしか見られないことを恐れているのです。
テサロニケ人への第一の手紙5章の終わりにある数節は、健全な共同体の姿を短い言葉の中にたくさん示しています。
まず、全体を貫く原則です。
だから、あなたがたは、今しているように、互に慰め合い、相互の徳を高めなさい。(Ⅰテサロニケ 5:11)
「今しているように」とあります。パウロは、彼らがすでにしていることを認めています。 何もないところから規則を作ったのではなく、今していることを続けるよう勧めました。小グループのリーダーも、この姿勢から学べます。まずグループの中にすでにあるよいものを認め、それから変えるべきことを話します。
次は導く人々についてです。「あなたがたの間で労し、主にあってあなたがたを指導し、かつ訓戒している人々を重んじ、彼らの働きを思って、特に愛し敬いなさい。互に平和に過ごしなさい」(Ⅰテサロニケ 5:12-13)。**「労し」「指導し」「訓戒している」**という三つの働きが並びます。人を導くことは実際の労苦であり、尊重されるべきです。その尊重の理由は、立場ではなく「彼らの働き」にあります。
そして次の一節には、四つのことが一つの文に並びます。
兄弟たちよ。あなたがたにお勧めする。怠惰な者を戒め、小心な者を励まし、弱い者を助け、すべての人に対して寛容でありなさい。(Ⅰテサロニケ 5:14)
この三つの状態を分けて考えてください。 ⚠️ これは人を三種類の固定した性格に分類するための言葉ではありません。同じ人でも、状況によっては複数の助けを必要とします。
「怠惰な者」には戒めが必要です。 原語の ataktos は、秩序から外れている、規律を受け入れない、という意味を持ちます。この手紙の文脈では、働かずに過ごすことを指す可能性もあります。本文は、「分かっていながら故意に罪を犯し、共同体を乱す人」と定義しているわけではありません。 「小心な者」には励ましが必要です。 原語の oligopsychos は、心が弱り、落胆しやすい人を指します。まず励ましてください。その人が進もうとしないのか、進む力がないのかを急いで決めつけてはいけません。 「弱い者」には助けが必要です。 「助ける」の原語 antechomai には、しっかり支える、離さず支えるという意味があります。要点は、実際にその人を支えることです。助言してはいけないという意味ではありません。まず何を必要としているかをよく聞き、共に歩むことと具体的な助けによって支えます。
相手の状態を取り違えると、よい言葉でも傷になります。 落胆している人を怠惰な人のように戒めれば、もう本当のことを話さなくなるでしょう。秩序を乱している人を励ますだけなら、グループ全体が引きずられます。
この三つの後には、さらに 「すべての人に対して寛容でありなさい」 と続きます。どの人に対しても寛容さが必要です。何が必要かを見分けるには知恵が要り、耐えて関わるには品性が要ります。
最後の節は、報復に歯止めをかけます。「だれも悪をもって悪に報いないように心がけ、お互に、またみんなに対して、いつも善を追い求めなさい」(Ⅰテサロニケ 5:15)。小グループでは、仕返し、無視、陰口として現れるかもしれません。人が個人的に語ったことを外へ伝えるのは、まず信頼を裏切ることであり、しばしばさらに深い傷を与えます。
詩篇133篇は、二つの情景で一致を歌います。「見よ、兄弟が和合して共におるのはいかに麗しく楽しいことであろう」(詩篇 133:1)。それはアロンの頭に注がれる尊い油のようであり、ヘルモンの露がシオンの山に下るようです。「これは主がかしこに祝福を命じ、とこしえに命を与えられたからである」(詩篇 133:3)。⚠️ ただし、3節の「かしこ」が主にシオンを指すのか、兄弟の一致を指すのかについては、解釈が分かれます。この詩は一致の情景を示しますが、小グループで秘密や分かち合いをどう扱うかを規定してはいません。
日常に当てはめると、三つのことができます。
一、秘密を守ることを言葉にし、例外もはっきり伝える。 毎回の初めに確認する言葉は形式ではありません。このグループで本当のことを話せるかどうかの土台です。例外も正直に伝えます。 現在進行中の被害、子どもや弱い立場の人の安全、差し迫った自傷や他害の危険がある場合、リーダーは完全な秘密を約束できません。 二、人を急いで直そうとしない。 誰かが悩みを話したら、まず尋ねましょう。「今日は、ただ聞いてほしいですか。それとも、一緒に方法を考えたいですか。」 三、本当の分かち合いは、しばしばリーダーから始まる。 リーダーは、ふさわしく率直な近況を一つ先に話せます。ほかの人の秘密には触れず、メンバーに自分を慰めさせる内容にもせず、話したくない人には強いません。
この課の着地点はこうです。安全とは、個人的な分かち合いが尊重され、被害や安全上の危険があるときには、誰かがすぐ助けを求めてくれると分かっていることです。正直であるとは、レッテルを貼られたり、急いで直されたりせず、率直に話せることです。
1. 「今しているように」。 パウロは、彼らがすでに行っていることを認め、それを続けるよう勧めました。
2. 「労し」「指導し」「訓戒している」。 人を導くことは実際の働きです。尊重の理由は、その人の働きにあります。
3. 三つの状態に、三つの応答。 怠惰な者を戒め、小心な者を励まし、弱い者を助けます。三つの固定した性格の分類ではありません。
4. 「助ける」には、離さず支える意味があります。 要点は具体的に支えることです。助言を禁じるのではなく、まず必要をよく聞きます。
5. 「すべての人に対して寛容でありなさい」。 三つの応答の後に、この言葉が続きます。何が必要かを見分けるには知恵が要り、耐えて関わるには品性が要ります。
6. 「悪をもって悪に報いない」。 小グループでは、仕返し、無視、陰口として現れることがあります。個人的な分かち合いを外へ伝えるのは、まず信頼を裏切ることです。
7. 詩篇133篇は、尊い油と露によって一致を歌います。 3節の「かしこ」が主にシオンを指すのか、一致を指すのかについては、解釈が分かれます。
最初に確認すること(リーダーが読みます)
小グループで話したことを、外で言いふらしません。ただし、現在進行中の被害、子どもや弱い立場の人の安全、差し迫った自傷や他害の危険がある場合は例外です。リーダーは完全な秘密を約束できません。通常は、できる限り本人と相談し、実際に助けられる人に必要な情報だけを伝えます。子どもや自分を守れない人が関係する場合、または差し迫った危険がある場合は、同意を前提とせず、状況に応じて牧師、資格を持つ専門家、地域の警察、救急または医療機関へ連絡します。危険が差し迫っているときはその場で助けを求め、本人を一人にしないでください。
ウォームアップ:どのような場なら、本当のことを話しやすいですか。(家庭、食卓、散歩中など、どこでも構いません。初めて来た方も話せます)
リーダーへのヒント:気軽に話してください。多くの人は、人数が少ないこと、話をさえぎられないこと、相手が急いで助言しないことなどを挙げるでしょう。後の話し合いへの入口になります。
この課の振り返り(リーダーが読みます。予習していない人のために、約1分)
この課では、テサロニケ人への第一の手紙5章11節から15節を読みました。パウロは、今しているように互いに慰め合い、相互の徳を高めるよう勧めます。また、主にあって労し、指導し、訓戒する人々を、その働きのゆえに愛し敬い、互いに平和に過ごすよう命じます。さらに、怠惰な者を戒め、小心な者を励まし、弱い者を助け、すべての人に対して寛容であるよう勧めます。悪をもって悪に報いず、互いに、また皆に対して善を追い求めます。関連する詩篇133篇は、兄弟が和合して共にいることの麗しさを歌います。今日は、「安全で誠実な小グループを築く」ということを一緒に考えます。
1. 11節から13節を読んでください。11節の終わりで、パウロはどの一言を添えていますか。12節から13節は、導く人々を尊重する理由をどこに置いていますか。
リーダーへのヒント:「今しているように」と、まず彼らを認めています。尊重する理由は「彼らの働き」であり、地位ではありません。労する、指導する、訓戒する、という三つの働きがあります。
2. 14節を読んでください。この節には何種類の状態があり、それぞれにどのような応答が対応していますか。最後に何が加えられていますか。
リーダーへのヒント:三つです。怠惰な者を戒め、小心な者を励まし、弱い者を助けます。最後に、すべての人に対して寛容であるよう命じられています。
3. 15節と詩篇133:1を読んでください。15節で禁じられているのは何ですか。詩篇133篇は、どの二つのたとえで一致を描いていますか。
リーダーへのヒント:悪をもって悪に報いることを禁じ、いつも善を追い求めるよう命じています。詩篇133篇では、アロンの頭に注がれた尊い油と、シオンの山に下るヘルモンの露が用いられます。
4. なぜパウロは三つの状態を分けて語ったのでしょうか。取り違えると、何が起こりますか。
リーダーへのヒント:この課の中心となる問いなので、十分な時間を取ります。落胆している人を怠惰な人のように戒めれば、もう本当のことを話さなくなるでしょう。秩序を乱している人を励ますだけなら、グループ全体が引きずられます。普段、私たちの応答が一種類だけになっていないかを尋ねてもよいでしょう。
5.(時間があれば)「弱い者を助ける」の「助ける」には、そばにいて支える意味があります。それは、助言を与えることと、どのように違いますか。
リーダーへのヒント:支えるとは、その人と道の一部を共に歩むことです。助言だけなら、すぐに重荷を本人へ返すことがあります。人の悩みを聞いたとき、私たちが最初にしやすいのはどちらかを話してみましょう。
6. 小グループで本当のことを話せるためには、どのような条件が必要ですか。最も壊れやすいものは何ですか。
リーダーへのヒント:多くの場合、「話したことが外へ伝わらないこと」が挙がります。ここで、例外の規定をもう一度伝えてください。安全に関わる場合、完全な秘密は約束できません。それは安全を損なうことではなく、本当に危険な状態にある人を支えるためです。
7. どのような関わりが、小グループで率直に話しやすくしますか。どのような関わりが、人に口を閉ざさせますか。(特定の人を評価したり、自分の個人的な秘密を話したりする必要はありません。初めて来た方も、自分の観察を話せます)
リーダーへのヒント:リーダーが自分の観察を先に話してください。皆が挙げたことを書き留め、このグループの約束として用います。誰のことかを追及せず、その場ですぐ問題を解決しようとしないでください。
8. 今週、この小グループの安心感のために何を一つしたいですか。
リーダーへのヒント:具体的であるほどよいでしょう。聞いたことを雑談として誰かへ伝えない、話を聞いた後で「今日はただ聞いてほしいですか」と尋ねる、落胆している人に短いメッセージを送る、などです。この後の行動リストも、その内容に沿って選びます。
まず一人がⅠテサロニケ5:14をゆっくり読み、続いて詩篇133:1を読みます。2分間静かに過ごし、最近、話を聞いてもらうこと、励まされること、具体的に支えられることを必要としているかもしれないメンバーを一人、心に思い浮かべます。分類せず、名前も口にせず、神が忍耐とふさわしい応答を与えてくださるよう祈ります。望む人は、名前を出さずに一言か二言祈ってください。声に出したくない人は静かに祈っても構いません。初めて来た方は静かに聞いているだけでよく、祈りや信仰の表明を求められることはありません。最後にリーダーが祈り、この小グループが本当のことを話せる場所となるよう求めます。祈りの課題は小グループの中に留め、個人的で繊細なことはAppやグループチャットに書きません。通常、後で支えるために記録する必要があるときは、まず本人の同意を得て、必要な一、二文だけを非公開で残します。ただし、子どもや自分を守れない人の安全に関わる場合、または自傷や他害の差し迫った危険がある場合は、同意を前提にせず、直ちに地域の救急、警察、または適切な保護機関へ連絡してください。
次のように祈り始めることができます(祈りの方向):
主よ。あなたは、小心な者を励まし、弱い者を助け、すべての人に対して寛容であるよう命じられました。私たちは、助言を急ぎ、問題をすぐ解決しようとして、同じ応答ばかりしてしまいます。目の前の人が何を必要としているかを見分けさせ、忍耐を与えてください。私たちの口を守り、ここで話されたことが外へ広がらないようにしてください。そして、すべてが順調であるふりをせず、本当のことを話せるようにしてください。兄弟が和合して共にいることは、なんと麗しく楽しいことでしょう。この祝福を私たちにも与えてください。主イエスの御名によって祈ります。アーメン。
祈った後、下から一つ選び、今週行ってみましょう。一つで十分です。すぐに選べなくても構いません。
記録や報告は必要ありません。望むなら、次回の集まりで話すことができます。できなかったときは、難しかったことをそのまま祈りに持っていきましょう。
「沈黙する人、周縁にいる人に気づく」の課(エゼキエル 34:1-16)、または「力を超える時、助ける人を招く」の課(使徒 6:1-7)を選ぶことができます。