初日から増殖に備える · スモールグループ

小グループのリーダー:小さな群れを牧する, 第2課. 読む 使徒行伝 19:1-10. 始めは今いる人を世話することだけを考え、居心地がよくなるほど、数年後には誰も離れたくなくなり、引き継ぐ人も育っていない

中心聖句:使徒行伝 19:1-10

パウロはエペソで十二人ほどの人々に出会い、その後ツラノの講堂で毎日論じました。「それが二年間も続いたので、アジヤに住んでいる者は、ユダヤ人もギリシヤ人も皆、主の言を聞いた。」⚠️ ルカは、この十二人がアジヤ全体にみことばが広がる出発点だったとは述べていません。しかしⅡテモテ2:2の委託と合わせて読むと、一つの牧会的な展望が見えてきます。**初めから、教えを受ける人が、やがてほかの人を教えられるようになることを願うのです。**

はじめに

小グループが二年、三年と続くと、とても居心地のよい場所になることがあります。互いのことをよく知り、半分言えば通じ、誰かの家に何かあれば皆が知っています。この親しさは本物であり、よいものです。 けれども同時に、この数人が私たちの小グループのすべてだという前提が、いつの間にか育つことがあります。

引っ越す人が出たり、誰かが新しい群れを導くことになったり、教会が新しい集会を始めたりして、どうしても別れる日が来たとき、初めて気づきます。慣れ親しんだ集まりを保つことばかり考え、ほかの人が少しずつ奉仕を担うための余地を作ってこなかったのです。

使徒行伝19章冒頭の十節には、パウロがエペソで働きを始めた様子が記されています。この箇所と照らし合わせて考えてみましょう。

第一に、始まりは小さなものでした。 パウロはエペソで何人かの弟子に出会い、聖霊を受けたかと尋ねました。彼らは「いいえ、聖霊なるものがあることさえ、聞いたことがありません」(使徒 19:2)と答えます。彼らが受けていたのはヨハネのバプテスマでした。そこでパウロは、「ヨハネは悔改めのバプテスマを授けたが、それによって、自分のあとに来るかた、すなわち、イエスを信じるように、人々に勧めたのである」(使徒 19:4)と教えました。彼らはそれを聞いて主イエスの名によるバプテスマを受け、パウロが手を置くと、聖霊が彼らにくだりました。

その人たちはみんなで十二人ほどであった。(使徒 19:7)

⚠️ この数節は、福音が広がる過程で使徒行伝に記された特別な出来事です。今日のすべての人が、必ず同じ順序をもう一度経験すべきだと教える箇所ではありません。 ルカは、ヨハネのバプテスマしか知らなかった人々が、福音の全体を知るところへ導かれたことを示しています。この課で注目するのは、十二人という人数です。

第二に、道が閉ざされたとき、場所を変えました。 パウロは会堂に入り、三か月のあいだ大胆に神の国について論じ、勧めました(使徒 19:8)。ところが、ある人々が心をかたくなにして信じようとせず、会衆の前でこの道を悪く言いました。そこでパウロは彼らから離れ、弟子たちを連れて、**「ツラノの講堂で毎日論じた」**のです(使徒 19:9)。

「毎日」に注目してください。 週に一度の集まりではなく、継続的な教えでした。

第三に、その結果は講堂をはるかに越えて広がりました。

それが二年間も続いたので、アジヤに住んでいる者は、ユダヤ人もギリシヤ人も皆、主の言を聞いた。(使徒 19:10)

ルカは、ツラノの講堂で毎日論じたことと、アジヤに住む人々が皆、主の言を聞いたことを、一続きに記しています。 ⚠️ ただし、みことばがどのように広がったのかは説明していません。パウロが二年間、一度もエペソを離れなかったとも述べていません。

ここから一つの展望を持つことができます。同時に、二つの誤解を避ける必要があります。

展望とは、この小さな群れが終点ではないということです。 今日教えを受ける人が、いつか受けたものをほかの人に教えられるようになることを願います。パウロが後にテモテへ書いた言葉も、同じ順序を示します。

そして、あなたが多くの証人の前でわたしから聞いたことを、さらにほかの者たちにも教えることのできるような忠実な人々に、ゆだねなさい。(Ⅱテモテ 2:2)

**「ほかの者たちにも教えることのできるような忠実な人々」**とあります。何かをゆだねる時点で、すでにその次の人々を見ています。

第一の誤解は、展望を、人を急かすことと同じにしてしまうことです。 初日から展望を持つことは、最初の一年でグループを分けることではありません。この課では、展望を心に置くだけです。 どのように増えていくか、いつ、どのように準備するかは、別のシリーズで扱います。展望を圧力に変えれば、人はかえって今の関係を手放せなくなります。

第二の誤解は、増えていくことを数字だけで測ることです。 パウロはエペソに二年間とどまり、毎日教えました。次々に新しい集会所を開いたと書かれているのではありません。堅実で継続的な教えは、人を遣わすための備えになります。⚠️ ただし、いつ、どのような形で実を結ぶかは神の御手にあります。同じことをすれば自動的に同じ結果が出る、という話ではありません。

では、初日から何ができるでしょうか。小さなことが三つあります。

一、話すとき、先へつながる一言を添える。 「今学んでいることを、いつかあなたもほかの人に伝えるでしょう。」この言葉を何度か聞くうちに、心に備えが生まれます。 二、ほかの人にも役割を持ってもらう。 一度の祈りを導く、一箇所の聖書を読む、一つの問いを尋ねるところから始めます。実際に加わった人だからこそ、後で役割を受け継げます。 三、まだ来ていない人のために祈る。 集まりごとに一分取り、まだ信じていない人、まだ来ていない人のために祈ります。どのように祈るかによって、小グループが自分たちをどう見るかも少しずつ形作られます。

この課の着地点は、今日から、ここが終点ではないと知ることです。そして今までどおり、目の前の数人を丁寧に養い続けます。

学びのポイント

1. 「十二人ほど」。 ルカは当時の規模が分かるように人数を記しました。それ以上の特別な意味があるとは書いていません。

2. 1節から7節は、福音が広がる過程で起きた特別な出来事です。 今日のすべての人が同じ順序を経験すべきだと教える箇所ではありません。この人々が福音の全体を知るところへ導かれたことが中心です。

3. 「毎日論じた」。 週に一度ではなく、継続的な教えです。

4. 会堂の道が閉ざされたとき、場所を変えました。 無理に残ることも、働きをやめることもありませんでした。

5. 二年間。 パウロは一つの場所に長くとどまって教えました。

6. 「アジヤに住んでいる者は……皆、主の言を聞いた」。 みことばがどのように広がったのかは説明されていません。パウロが二年間、一度もエペソを離れなかったとも書かれていません。

7. Ⅱテモテ2:2に示された順序。 「ほかの者たちにも教えることのできるような忠実な人々」にゆだねます。すでにその次の人々を見ています。

分かち合い

オープニング(約10分)

最初に確認すること(リーダーが読みます)

小グループで話したことを、外で言いふらしません。ただし、現在進行中の被害、子どもや弱い立場の人の安全、差し迫った自傷や他害の危険がある場合は例外です。リーダーは完全な秘密を約束できません。通常は、できる限り本人と相談し、実際に助けられる人に必要な情報だけを伝えます。子どもや自分を守れない人が関係する場合、または差し迫った危険がある場合は、同意を前提とせず、状況に応じて牧師、資格を持つ専門家、地域の警察、救急または医療機関へ連絡します。危険が差し迫っているときはその場で助けを求め、本人を一人にしないでください。

ウォームアップ:あなたが身につけたことで、後にほかの人へ教えたものは何ですか。(料理、運転、ソフトウェアの使い方など、何でも構いません。初めて来た方も話せます)

リーダーへのヒント:気軽に話してください。人に一度教えてみて、初めて自分も本当に理解したと気づくことがあります。後の話し合いへの入口になります。

この課の振り返り(リーダーが読みます。予習していない人のために、約1分)

この課では、使徒行伝19章1節から10節を読みました。パウロはエペソで何人かの弟子に出会いました。彼らはヨハネのバプテスマしか知らず、聖霊について聞いたことさえありませんでした。パウロは、ヨハネのバプテスマが悔改めのバプテスマであり、その後に来るイエスを信じるよう人々に勧めたものだと教えます。彼らは主イエスの名によるバプテスマを受け、パウロが手を置くと聖霊が彼らにくだり、異言を語り、預言をしました。全部で十二人ほどでした。その後、パウロは三か月のあいだ会堂で大胆に神の国について論じましたが、ある人々が心をかたくなにしてこの道を悪く言いました。そこで弟子たちを連れて離れ、ツラノの講堂で毎日論じました。それが二年間続き、アジヤに住むユダヤ人もギリシヤ人も皆、主の言を聞きました。Ⅱテモテ2章では、ほかの人々にも教えられる忠実な人々に、聞いた教えをゆだねるよう命じられています。今日は、「初日から増殖に備える」ということについて一緒に考えます。

観察

1. 1節から7節を読んでください。パウロはエペソでどのような人々に出会いましたか。全部で何人でしたか。

リーダーへのヒント:何人かの弟子で、ヨハネのバプテスマだけを受け、聖霊について聞いたことさえありませんでした。福音を聞いた後、主イエスの名によるバプテスマを受けました。全部で十二人ほどでした。

2. 8節から9節を読んでください。パウロは初めどこで語りましたか。なぜ後に場所を変えましたか。どこへ移り、どれくらいの頻度で教えましたか。

リーダーへのヒント:初めは会堂で三か月語りました。ある人々が心をかたくなにして信じず、この道を悪く言ったため、弟子たちを連れてツラノの講堂へ移り、毎日論じました。

3. 10節を読んでください。それはどれほど続き、どのような結果になりましたか。

リーダーへのヒント:二年間続きました。その結果、アジヤに住むユダヤ人もギリシヤ人も皆、主の言を聞きました。みことばがどのように広がったのかは、聖書に書かれていないことにも注目してください。

解釈

4. 8節から10節は、パウロが何を続けたこと、そしてどのような結果になったことをはっきり記していますか。その間の伝播の過程を、ルカは説明していますか。長い時間をかけて人を育てることについて、何を教えられますか。

リーダーへのヒント:この課の中心となる問いなので、十分な時間を取ります。パウロは二年間、毎日教え続けました。その結果、アジヤの人々が皆、主の言を聞きました。途中でどのように広がったのかは書かれていないので、推測で補う必要はありません。目の前の数人をよく養うという素朴な働きを続け、結果を神にゆだねることについて話せます。

5.(時間があれば)Ⅱテモテ2:2は、ほかの人々にも教えられる忠実な人々にゆだねるよう命じています。「ほかの人々にも教えられる」という条件は、何を示していますか。

リーダーへのヒント:ゆだねる時点で、すでにその次の人々を見ています。この節は、目の前の欠員を埋めるためだけに役割をゆだねるのではなく、その人が忠実か、真理を明確にほかの人へ教えられるかを見るよう教えています。

6. 「初日から増えていく展望を持つこと」と、「初めからグループを分けるよう皆を急かすこと」には、どのような違いがありますか。

リーダーへのヒント:展望とは、ここが終点ではないと心で知ることです。今することは変わらず、目の前の人を丁寧に養います。急かすとは、展望を圧力に変えることです。今日は具体的なグループ分けを何も話さないと、はっきり伝えてください。

適用

7. あなたの小グループには、人が少しずつほかの人に仕えることを学べる、どのような小さな機会がありますか。(名前を挙げたり、その場で役割を割り当てたりする必要はありません。初めて来た方は、自分を導いてくれた人について話せます)

リーダーへのヒント:リーダーが先に話してください。「備えること」は、次のリーダー候補をその場で評価することではなく、普段から行うものだと分かち合います。

8. 今週、どの小さな役割を、ほかの人にお願いしたいですか。

リーダーへのヒント:具体的であるほどよいでしょう。初めの祈りを導いてもらう、聖書を一箇所読んでもらう、次回の最初の問いを尋ねてもらう、などです。この後の行動リストも、その内容に沿って選びます。

祈りと実践

ともに祈る(約15分)

まず一人が使徒19:9-10をゆっくり読み、続いてⅡテモテ2:2を読みます。2分間静かに過ごし、一人ひとりが、少しずつ育てていける人がいるかを心の中で考えます。望む人は一言か二言祈ってください。声に出したくない人は静かに祈っても構いません。初めて来た方は静かに聞いているだけでよく、祈りや信仰の表明を求められることはありません。最後に一分取り、まだ来ていない人、まだ信じていない人のために祈ります。祈りの課題は小グループの中に留め、個人的で繊細なことはAppやグループチャットに書きません。通常、後で支えるために記録する必要があるときは、まず本人の同意を得て、必要な一、二文だけを非公開で残します。ただし、子どもや自分を守れない人の安全に関わる場合、または自傷や他害の差し迫った危険がある場合は、同意を前提にせず、直ちに地域の救急、警察、または適切な保護機関へ連絡してください。

次のように祈り始めることができます(祈りの方向):

主よ。パウロはエペソで長いあいだ教え続け、その間にアジヤ各地の人々があなたの言葉を聞きました。私たちは、目の前の数人しか見えず、今ある居心地のよさを守りたいと思うことがあります。ここが終点ではないという展望を、心に置いてください。同時に、人を急かさず、あなたがゆだねてくださった人々を誠実に養わせてください。彼らがいつか、受けたものをほかの人へ伝えられるようになることを願います。結果はあなたの御手にゆだねます。主イエスの御名によって祈ります。アーメン。

今週の行動リスト(約5分)

祈った後、下から一つ選び、今週行ってみましょう。一つで十分です。すぐに選べなくても構いません。

記録や報告は必要ありません。望むなら、次回の集まりで話すことができます。できなかったときは、難しかったことをそのまま祈りに持っていきましょう。

続けて話すなら

「群れの模範となる」の課(Ⅰペテロ 5:1-4)、または「安全で誠実な小グループを築く」の課(Ⅰテサロニケ 5:11-15)を選ぶことができます。

リーダーガイド