からだと感情を互いに尊重する · スモールグループ

独身と交際, 第4課. 読む コリント人への第一の手紙 6:12-20. 人を好きになると、境界を守ることが不信や愛の不足のように言われる

中心聖句:コリント人への第一の手紙 6:12-20

「もう結婚するのに、そんなことを気にするの」「私を十分に愛していないの」。境界線を守ることは、相手を信頼していないからだと言われがちです。パウロは「不品行を避けなさい」とはっきり命じる一方、その命令を身分へ結びつけます。あなたのからだはキリストの肢体、聖霊の宮であり、代価を払って買い取られたものです。境界線を守るのは、愛が足りないからではありません。相手も主が代価を払って買い取られた人だと重んじるからです。

はじめに

交際中、多くの人が次のような言葉を聞いたことがあります。「どうせ結婚するのに、そんなことを気にするの」「本当に愛しているなら、こうはしないよ」「みんなしているのに、あなただけ特別なの」。言う人が必ずしも悪い人とは限りません。しかし、これらの言葉には共通する働きがあります。境界線を不信頼のしるしに変え、「いいえ」と言う人を、愛の足りない人に見せることです。

教会では、反対の極端に進むこともあります。このことをだれもきちんと話さず、「してはいけない」という一つの規則だけがあり、その理由は説明されません。実際に罪を犯した人は、なおさら口を開けず、一人で恥を背負います。

コリント人への第一の手紙6章12節から20節は、このことを聖書の中でも特に明確に語る箇所です。パウロは「不品行を避けなさい」と明白に命じるだけでなく、その命令の根拠を説明します。あなたはだれで、だれに属しているのでしょうか。

最初の言葉は、コリントの人々がよく口にしていた標語を引用しているようです。

すべてのことは、わたしに許されている。しかし、すべてのことが益になるわけではない。すべてのことは、わたしに許されている。しかし、わたしは何ものにも支配されることはない。(コリント人への第一の手紙 6:12)

自由は確かにあります。しかし自由は、もう一つ問い返します。このことを最後に支配するのは私でしょうか。それとも、このことが私を支配するのでしょうか。

続いてパウロは、「からだは不品行のためではなく、主のためであり、主はからだのためである」と語ります(コリント人への第一の手紙 6:13)。コリントの人々は、食欲も性欲もからだの欲求にすぎないと考え、「すべてのことは許されている」という言葉で正当化していたようです。パウロの答えは、神は主をよみがえらせ、その力で私たちをもよみがえらせてくださる、というものです(6:14)。からだは好きなように扱える一時的な入れ物ではなく、主に属し、永遠の重みがあります。

その後に「知らないのか」という問いが三度続き、次第に重くなります。「あなたがたは自分のからだがキリストの肢体であることを、知らないのか」(6:15)。「遊女につく者はそれと一つのからだになることを、知らないのか」(6:16)。ここでパウロは創世記の「ふたりの者は一体となるべきである」という言葉を引用します。これは大切な点です。からだの親密さは、決してその人全体と関係のない一度の行為ではなく、二人を結びつけます。この節を創世記2章24節と聖書全体の結婚の教えに照らすと、からだの親密さは、公にされ、長く続き、互いに責任を負う結婚の契約によって守られるべきであり、いつ終わるか分からない関係に置かれるべきでないと分かります。

最後の「知らないのか」は、この段落の結論でもあります。

あなたがたは知らないのか。自分のからだは、神から受けて自分の内に宿っている聖霊の宮であって、あなたがたは、もはや自分自身のものではないのである。あなたがたは、代価を払って買いとられたのだ。それだから、自分のからだをもって、神の栄光をあらわしなさい。(コリント人への第一の手紙 6:19-20)

「代価を払って買いとられた」とは、贖いと所属を表す言葉です。当時の読者は、それを聞けば、だれかが代価を払ったとすぐ分かりました。パウロが中心に置くのは身分です。あなたは自分のものでも、交際相手のものでもなく、あなたのために命を捨てられた主のものです。

テサロニケ人への第一の手紙は、このことを人との関係にさらに近づけて語ります。「神のみこころは、あなたがたが清くなることである。すなわち、不品行を慎み、各自、気をつけて自分のからだを清く尊く保ち」とあります(テサロニケ人への第一の手紙 4:3-4)。続く、見落とされやすい節には、「このようなことで兄弟を踏みつけたり、だましたりしてはならない」とあります(テサロニケ人への第一の手紙 4:6)。境界線を越えることは、自分一人だけの問題ではありません。もう一人の人を傷つけます。

また、境界線はからだだけのものではありません。感情の面でも越えてしまうことがあります。早い段階から相手を唯一の心の支えにすること。涙や罪悪感で相手を縛ること。どこまで譲るかを見るために、何度も相手の限界を試すこと。争うたびに別れを交渉の道具にすることです。これらは皆、神に愛されている一人の人として相手を見るのではなく、自分の必要を満たす道具として扱うことです。

実際にできることは、それほど複雑ではありません。互いに尊重し、強制や恐れのない関係なら、二人でともに境界線を決めます。一人が守り、もう一人が押し続ける形にしません。相手があなたの「いいえ」を尊重せず、脅して譲歩させようとし、あなたが恐れを感じるなら、一人で交渉を続けないでください。まず信頼できる人、牧師、専門家へ相談し、ともに安全のための計画を立てます。人目のある場所で会い、夜遅くなる前にそれぞれ帰ります。信頼できる何人かの兄弟姉妹に交際を知らせ、様子を尋ねてもらえる関係をつくります。成熟した夫婦や牧師と、二人で定期的に話します。境界線を決めた後に、「私を十分に愛していないの」と言われても、答えは明確です。あなたを愛しているからこそ、あなたを危険にさらしません。

もう一つ、必ず区別しなければならないことがあります。強制、脅し、または自由に意思を表せない状況で侵害を受けたなら、責任は加害者にあります。それは「罪に陥った」ことではありません。他人から加えられた被害について、その人に罪を告白するよう求めてはなりません。これは安全に関わることであり、すぐ信頼できる人、牧師、専門家へ助けを求めてください。

最後に、罪を犯したことのある人へ一言伝えます。パウロはこの段落の直前に、「あなたがたの中には、以前はそんな人もいた。しかし、あなたがたは、主イエス・キリストの名によって、またわたしたちの神の霊によって、洗われ、きよめられ、義とされたのである」と語っています(コリント人への第一の手紙 6:11)。福音は規則より先にあります。神が罪を扱われる方法は、恥を与えることではなく、洗い清めることです。今日からもう一度始められます。過去の恥を抱えて生き続ける必要はありません。

学びのポイント

1. 「すべてのことは、わたしに許されている」。 多くの解説者は、これはコリントの人々の標語で、パウロがまず引用し、二つの制限を加えたと考えています。すべてが益になるわけではないこと、何ものにも支配されないことです。自由は、この二つの関門を通らなければなりません。

2. からだは二次的なものではありません。 当時の風潮は、からだを一時的で、魂とは関係のないものと見ました。しかしパウロは、からだは主のためであり、神は私たちのからだをよみがえらせてくださると語ります(6:14)。ですから、からだをどう用いるかは霊的なことです。

3. 「ふたりの者は一体となるべきである」。 6:16は創世記2:24を引用しています。からだの親密さには、人を結びつける力があります。「今回だけ」の小さなことではありません。これが、からだの親密さが結婚の契約に属する理由でもあります。

4. 「不品行を避けなさい」。 パウロが用いる言葉は「耐えなさい」ではなく、「避けなさい」です。ヨセフはポテパルの妻の前から外へ逃げました(創世記 39:12)。これは非常に実際的な勧めです。意志の力だけで耐えなければならない状況に、自分を置かないでください。

5. テサロニケ人への第一の手紙 4:6の「踏みつけたり、だましたりしてはならない」。 この言葉は、性の境界線を、もう一人の人に対する責任として語ります。個人の品行だけの問題ではありません。

6. テサロニケ人への第一の手紙 4:4の「からだ」。 原語のσκεῦος(skeuos)は、本来「器」を意味します。自分のからだを治めることだと理解する人もいれば、妻を清く尊く扱うことだと理解する人もいます。中国語和合本は前者を採っています。どちらの理解でも、段落全体の要求は同じです。不品行を避け、人を清く尊く扱い、境界線を越えて人を傷つけてはなりません。

分かち合い

オープニング(約10分)

はじめに確認します(リーダーが読み上げます)

グループで聞いたことを、外で言い広めません。ただし、今起きている被害、子どもや弱い立場にある人の安全、または自分や他人を今すぐ傷つける危険がある場合には例外があります。リーダーは完全な秘密を約束できません。通常は、まずできる限り本人と相談し、実際に助けられる人に必要な情報だけを伝えます。子ども、自分で身を守れない人、または差し迫った危険が関わる場合は、本人の同意を前提とせず、状況に応じて牧師、資格を持つ専門家、現地の警察、救急・医療機関に連絡します。差し迫った危険があるときは、その場で助けを求め、本人を一人にしないでください。

ウォームアップ:恋愛について、どのような決まり文句を聞いたことがありますか。(例えば「愛しているなら、すべてを相手に与えるべきだ」「一緒に住まなければ相性が分からない」など。初めて参加する方も、よければ話してください)

リーダーへのヒント:気軽に、聞いた言葉だけを挙げます。だれが正しいかを論評せず、個人の経験も尋ねません。社会から聞こえる声を、この問いで並べます。

この課の振り返り(リーダーが約1分で読み上げます。予習していない方にも分かるように)

この課で読むのは、コリント人への第一の手紙6章12節から20節です。パウロは、すべてのことは許されているが、すべてが益になるわけではなく、自分は何ものにも支配されない、と語ります。からだは不品行のためではなく主のためであり、主はからだのためです。神は主をよみがえらせ、その力で私たちをもよみがえらせてくださいます。パウロは「知らないのか」と三度尋ねます。自分のからだがキリストの肢体であることを知らないのか。遊女につく者は一つのからだになることを知らないのか。ふたりの者は一体となるべきだからです。自分のからだが聖霊の宮であることを知らないのか。私たちは自分自身のものではなく、代価を払って買い取られたので、からだをもって神の栄光を表します。あわせて読むテサロニケ人への第一の手紙4章には、神のみこころは私たちが清くなり、各自が自分のからだを清く尊く保つことであり、このことで兄弟を踏みつけたり、だましたりしてはならない、とあります。今日は、からだと感情の面でどのように互いを尊重するかを分かち合います。

観察

1. 12-14節を読みます。パウロは「すべてのことは許されている」に、どの二つの制限を加えましたか。また、からだについて何と語りましたか。

リーダーへのヒント:すべてが益になるわけではないこと、何ものにも支配されないことです。からだは不品行のためでなく主のためであり、主はからだのためです。神は私たちのからだをよみがえらせてくださいます。

2. 15-17節を読みます。パウロは、からだの親密さが小さなことではないと、どのような理由で説明していますか。旧約聖書のどの言葉を引用しましたか。

リーダーへのヒント:からだはキリストの肢体であり、人につく者は一体になります。創世記2:24の「ふたりの者は一体となるべきである」を引用しています。彼の理由は、単に「してはいけない」ではなく、「すでにだれに属しているか」だと皆で確認できます。

3. 18-20節とテサロニケ人への第一の手紙 4:3-6を読みます。この二つの箇所は、どのような行動と理由を示していますか。

リーダーへのヒント:不品行を避ける。からだは聖霊の宮である。私たちは自分のものではなく、代価を払って買い取られたので、からだをもって神の栄光を表す。テサロニケ人への手紙では、清くなり、不品行を慎み、からだを清く尊く保ち、兄弟を踏みつけたり、だましたりしてはならない、と語られます。

解釈

4. パウロは「不品行を避けなさい」と命じると同時に、からだはキリストの肢体、聖霊の宮だと語ります。この箇所では、命令と身分がどのようにつながっていますか。

リーダーへのヒント:この課の中心となる問いです。時間を多めに取ってください。命令だけなら、規則を守るだけになり、機会があれば抜け道を探します。身分と所属につながれば、守っているのは関係です。私たちが幼いころから聞いてきた教えは、どちらの語り方が多かったかも分かち合えます。

5.(時間があれば)からだのほかに、感情の面でどのような「越えてはならない線」がありますか。

リーダーへのヒント:相手を唯一の心の支えにする。涙や罪悪感で縛る。何度も限界を試す。争うたびに別れを持ち出す。携帯電話を調べ、行動を管理することを愛だと考える。判断するための問いは、「私はこの人を愛しているのか。それとも、自分の必要を満たすために利用しているのか」です。

6. 「境界線を守るのは、相手を信頼していないからだ」と言われたら、この箇所に照らしてどう答えますか。二人でどのような実際的な取り決めができますか。

リーダーへのヒント:境界線は、だれかを疑うためではなく、関係と二人を守るためです。一人が守り、もう一人が押すのではなく、二人で決める。人目のある所で会う。夜遅くなる前にそれぞれ帰る。信頼できる何人かの兄弟姉妹に知らせ、尋ねてもらえるようにする。成熟した夫婦や牧師と定期的に話す、といった方法があります。

適用

7. この箇所のどの一言を、今日いちばん心に留めたいですか。(聖句を一つ挙げるだけでよく、自分のことを話す必要はありません。初めて参加する方も、よければ話してください)

リーダーへのヒント:ただ聞き、問い詰めず、論評もしません。リーダーが先に自分の言葉を挙げて、過去のことを告白させる問いではないと分かる雰囲気をつくります。

8. 今週、自分のために、または二人の関係のために、どの具体的な境界線を一つ決めたいですか。(静かに考えるだけでも、自分のために書くだけでもかまいません。順番に発表しません)

リーダーへのヒント:順番に話させません。助けが必要な人は、集会後に個別にリーダーへ相談できます。境界線は具体的にします。何時までにそれぞれ帰るか、閉ざされた部屋で二人きりにならない、私的な画像を送らず求めない、困った時にだれへ相談し、だれに見守ってもらうか、などです。続く行動リストから選んでもかまいません。

祈りと実践

ともに祈る(約15分)

一人の方にコリント人への第一の手紙6章19-20節をゆっくり読み、続いて6章11節の「洗われ、きよめられ、義とされた」という言葉を読んでもらいます。一分間静かにします。その後、祈りたい方が一言か二言ずつ、自分のからだが聖霊の宮であることを感謝し、弱さや後悔を神へゆだね、交際中の兄弟姉妹が互いを尊重できるよう祈ります。名前や詳しい事情は話しません。声に出したくない方は、静かに祈るだけでも祈りです。初めて参加する方は静かに聞いているだけでよく、祈ることも信仰を表明することも求められません。最後にリーダーがまとめ、グループの皆のために感謝し、とりなします。祈りの課題はグループ内にとどめ、デリケートな内容はアプリにもグループチャットにも書きません。通常、継続して支える際はまず本人の同意を得て、必要な一言か二言だけを個人的に記録します。ただし、子どもや自分で身を守れない人の安全、または自傷・他害の差し迫った危険がある場合は、同意を前提とせず、直ちに現地の救急、警察、適切な保護機関へ連絡してください。

次のように祈り始めることができます(祈りの方向):

主イエスよ、あなたは代価を払って私たちを買い取られ、私たちのからだもあなたのものです。私たちは、からだを軽く見る時代に生き、「私を十分に愛していないの」という言葉に引かれることもあります。自分がだれであるかを、はっきり見せてください。私たちはあなたの肢体であり、聖霊の宮です。境界線を決める勇気と、相手を尊重する優しさを与えてください。罪を犯した人をあなたの血によって洗い、恥の中に生き続けることがないようにしてください。あなたの御名によって祈ります。アーメン。

今週の行動リスト(約5分)

祈りの後、次の中から一つだけ選び、今週やってみましょう。すぐに選べなくても大丈夫です。

記録も報告も必要ありません。よければ次回、話してください。できなかったときは、難しかったことを祈りの中へ持っていきましょう。

続けて話すなら

「愛を急いで呼び覚まさない」(雅歌 2:1-7)、または「条件だけでなく、品性を見る」(ルツ記2章)を扱う課を選べます。

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