神の栄光, 第28課. 読む 民数記 23:13-24. 約束を守らないことが当たり前になり、自分も曖昧な言い方をし、約束を割り引くようになった
中心聖句:民数記 23:13-24
モアブの王バラクはイスラエルをのろわせるためにバラムを招き、一つの場所でうまくいかなければ、別の場所で試しました。しかしバラムは、こう語るほかありませんでした。「神は人のように偽ることはなく、また人の子のように悔いることもない。言ったことで、行わないことがあろうか、語ったことで、しとげないことがあろうか。」場所を変え、ささげ物を増やしても、神が語られたことを変えることはできません。ヘブル人への手紙は、神の約束を「たましいを安全にし不動にする錨」と呼び、神の約束はことごとく、キリストにおいて「しかり」となったと語ります。言葉の重みが失われがちな世で、私たちは真実な神に頼り、自分も約束を守ることを学べます。
私たちは、約束が守られないことにすっかり慣れてしまいました。「今度ごちそうするよ」と言われても、今度など来ないと皆が知っています。「この件は任せて」と言ったきり、音沙汰がないこともあります。契約書にははっきり書いてあっても、いざとなれば守らない理由が見つけられます。やがて私たち自身も、言い切らず、決め切らず、逃げ道を残すようになります。子どもに約束したことも、忙しくなればそのままです。
民数記22章から24章には、とても不思議な物語があります。イスラエルの人々がモアブの平野に着くと、モアブの王バラクは恐れ、占いの礼物を持たせた使者を占い師バラムへ送り、イスラエルをのろうよう求めました。バラクは言いました。「あなたが祝福する者は祝福され、あなたがのろう者はのろわれることをわたしは知っています」(民数記 22:6)。ところがバラムが初めに口を開くと、出てきたのは祝福でした。そこでバラクは、別の場所へ連れて行ってもう一度試します。
バラクは彼に言った、「わたしと一緒にほかのところへ行って、そこから彼らをごらんください。あなたはただ彼らの一端を見るだけで、全体を見ることはできないでしょうが、そこからわたしのために彼らをのろってください」。(民数記 23:13)
彼はバラムをピスガの頂へ連れて行き、もう一度七つの祭壇を築き、祭壇ごとに雄牛一頭と雄羊一頭をささげました(民数記 23:14)。場所を変え、同じささげ物を繰り返し、今度こそ違う結果が出ることを期待したのです。バラムは主に会うために出て行き、戻って次の言葉を語りました。
神は人のように偽ることはなく、また人の子のように悔いることもない。言ったことで、行わないことがあろうか、語ったことで、しとげないことがあろうか。(民数記 23:19) 祝福せよとの命をわたしはうけた、すでに神が祝福されたものを、わたしは変えることができない。(民数記 23:20)
人は偽り、心を変え、お金を受け取ったり状況が変わったりすれば言うことを変えます。しかし神は違います。神はアブラハムの子孫を祝福すると約束されました(創世記 12:2-3)。王が金を出し、場所を変えたからといって、その言葉が覆ることはありません。バラムは続けて、「ヤコブには魔術がなく、イスラエルには占いがない」(民数記 23:23)と言いました。この時イスラエルが守られた根拠は、神がご自分の契約に真実であられたことです。聖書はイスラエルの行いをほめてはいません。
なお、バラム自身は模範となる人物ではありません。新約聖書は、バラムが「不義の実を愛し」(ペテロ第二 2:15)、後には彼の策略によってイスラエルがペオルのことで罪に陥ったと語ります(民数記 31:16)。心の正しくない人でさえ、神が語られたことを変えられませんでした。
ヘブル人への手紙は、別の歴史から同じことを説明します。神がアブラハムに約束された時、「さして誓うのに、ご自分よりも上のものがないので、ご自分をさして誓」われました(ヘブル 6:13)。もともと神の言葉は確かですが、さらに誓いを加え、「偽ることのあり得ない神に立てられた二つの不変の事がら」(ヘブル 6:18)を示されました。続いて、美しいたとえが語られます。
この望みは、わたしたちにとって、いわば、たましいを安全にし不動にする錨であり、かつ「幕の内」にはいり行かせるものである。(ヘブル 6:19) その幕の内に、イエスは、永遠にメルキゼデクに等しい大祭司として、わたしたちのためにさきがけとなって、はいられたのである。(ヘブル 6:20)
錨が水中へ沈み、海底をつかむからこそ、船は安定します。私たちの望みも、目には見えなくても最も確かな所につながれています。イエスはすでに、私たちのために神の前へ入られました。パウロは、「神の約束はことごとく、彼において『しかり』となった」(コリント第二 1:20)と語ります。これは、神が実際に与えられた約束がキリストにおいて確かなものとされ、成就するという意味です。私たちが望むあらゆる結果が、個人的な保証として神から与えられたという意味ではありません。約束を読む時、それが元は誰に語られ、キリストにおいてどのように成就するのかを確かめる必要があります。
ですから、言葉の重みが失われがちな世で、まず自分の人生の重みをキリストに預けましょう。キリストはすでに幕の内へ入り、神の約束はこの方にあって確かです。歯を食いしばって自分を真実な人間に変えることはできません。聖霊が、キリストの成し遂げた福音によって私たちの口を新しくし、軽々しく約束することを減らし、誠実に責任を担えるようにしてくださいます。イエスは言われました。「あなたがたの言葉は、ただ、しかり、しかり、否、否、であるべきだ。」(マタイ 5:37)詩篇は、神の聖なる山に住む人を、「誓った事は自分の損害になっても変えることなく」(詩篇 15:4)と表します。できないことは早めに伝え、自分の落ち度を認めます。約束したことは、恵みにより頼んでできる限り果たします。
1. 背景(民数記22章)。 モアブの王バラクは大勢のイスラエル人を見て恐れ、バラムを招いて彼らをのろわせようとしました。バラムは神から授けられた言葉しか語れず、三度とも祝福になりました(民数記23-24章)。
2. 場所を変え、ささげ物を繰り返す。 初めに祝福を聞いた後、バラクはイスラエルの一端だけが見える場所へ移り、七つの祭壇で再びささげ物をしました(民数記 23:1、14)。何度も場所を変えて試しても、神がすでに与えた祝福を覆せないことを、聖書は示します。
3. 「悔いることもない」(23:19)。 聖書には、神が「悔いる」と語る箇所もあります(たとえばサムエル記上 15:11)。そこでは、人間の言葉を用いて、人の行いに対する神の応答を描いています。ここで強調されるのは、神の約束とみ旨が、人のようにころころ変わることはないということです。同じ章も、イスラエルの栄光は「悔いることもない」(サムエル記上 15:29)と語ります。
4. バラムという人物。 彼は肯定的な人物ではありません。新約聖書は、彼が不義の実を愛したと語り(ペテロ第二 2:15)、後には彼の策略によってイスラエルが罪に陥りました(民数記 31:16)。約束が信頼できるのは、バラムの品性によるのではなく、その言葉を与えられた神によります。
5. 「たましいを……不動にする錨」(ヘブル 6:19)。 錨が見えない深みに下ろされるから、船は安定します。「幕の内」へ入るとは、私たちの望みが神の御前につながっており、イエスがすでに先駆けとして入られたということです。
ウォームアップ:よく耳にする社交辞令には、どんなものがありますか。たとえば「今度ごちそうするよ」。それを本気にしますか。(初めて来た方も話せます。)
リーダーへのヒント:気軽に尋ねてください。みんなが笑える問いです。「言葉の重みが失われる」というテーマへの導入になります。
課の振り返り(リーダーが読み上げます。約1分。予習していない方のためです。)
この課では民数記23章13-24節を読みます。モアブの王バラクはイスラエルをのろわせるためにバラムを招きましたが、バラムは祝福を語りました。バラクはもう一度、彼をピスガの頂へ連れて行き、七つの祭壇を築いて、そこでイスラエルをのろわせようとしました。主がバラムに言葉を授けると、バラムは言いました。神は人のように偽ることはなく、人の子のように悔いることもない。言ったことで行わないことがあろうか、語ったことで成し遂げないことがあろうか。祝福せよとの命をわたしは受け、すでに神が祝福されたものを変えることはできない。ヤコブには魔術がなく、イスラエルには占いがない。併せて読むヘブル人への手紙6章は、偽ることのあり得ない神と、たましいを安全にし不動にする錨のような望みについて語ります。今日は、真実で偽りのない神について一緒に語り合います。
1. 13-17節を読みます。バラクはなぜ場所を変えましたか。どのような準備をしましたか。
リーダーへのヒント:場所を変え、イスラエルの一端だけを見て、そこからのろわせようとしました。また七つの祭壇を築き、祭壇ごとに雄牛一頭と雄羊一頭をささげました。
2. 18-24節を読みます。バラムは、神と人はどう違うと言いましたか。神の祝福を自分が変えられると言いましたか。
リーダーへのヒント:神は人のように偽らず、人の子のように悔いることもありません。語られたことを行い、成し遂げられます。バラムは祝福せよとの命を受け、すでに神が祝福されたものを変えられないと言いました。
3. ヘブル 6:17-20を読みます。神は、約束を受け継ぐ人々に、ご計画が変わらないことをどのように示されましたか。私たちの望みは何にたとえられていますか。
リーダーへのヒント:神は誓いによって保証されました。偽ることのあり得ない神に立てられた二つの不変の事柄があります。この望みは、たましいを安全にし不動にする錨であり、幕の内へ入らせます。イエスが私たちのために先駆けとなって入られました。
4. バラクは、場所を変え、ささげ物を増やせば、結果も変わると思いました。「神は人のように偽ることはなく、また人の子のように悔いることもない」という言葉は、約束を守らない人にたびたび出会う私たちにとって、どんな意味がありますか。
リーダーへのヒント:この課の中心となる問いなので、十分に時間を取ってください。人は利益、状況、感情によって言うことを変えますが、神はそのように言葉を変えません。神の言葉に安心して人生の重みを預けられます。私たちもバラクのように、何らかの方法で神の考えを変えさせようとすることがないか、尋ねてもよいでしょう。
5.(時間があれば扱う問い)バラム自身は良い人ではありませんでした(ペテロ第二 2:15)。それでも神の言葉は成就しました。ここから何が分かりますか。
リーダーへのヒント:神の言葉が確かなのは、伝える人がどれほど良いかによるのではありません。約束の根拠は神にあり、私たち自身が十分に良いかどうかにはないことも示されます。
6. ヘブル 6:19は、望みを「たましいを……不動にする錨」と呼び、イエスが「わたしたちのために」幕の内へ入られたと語ります。錨というたとえは、不安定な日々を生きる私たちにどう役立ちますか。
リーダーへのヒント:錨が見えない深みに下ろされるから、船は安定します。私たちの望みは神の御前につながり、イエスがすでに入られました。コリント第二1:20、神の約束はことごとくキリストにおいて「しかり」となったという言葉につなげてもよいでしょう。
7. 最近、言ったのに実行できなかったことは何ですか。(小さなことを一つでかまいません。初めて来た方も話せます。)
リーダーへのヒント:リーダーが先に自分のことを話してください。子どもとの約束、「今度」の食事、仕事上の約束などでかまいません。批判しません。
8. 今週、どの一つのことについて、約束を守ることを学びたいですか。
リーダーへのヒント:具体的になるよう促してください。果たしていない約束を一つ実行する。約束する前に、実行できるか考える。できない時は、誠実に早めに伝える。続く行動リストもこの方向に沿っています。
まず一人の方に民数記 23:19-20をゆっくり読んでもらい、続いてヘブル 6:19-20を読んでもらいます。それから二分間、静かにします。それぞれが、自分が言ったのに実行できなかったことを一つ、また今つかんでいる神の約束を一つ、心の中で考えます。願う方は一、二文祈ってください。声に出さず、黙って祈ることも祈りです。初めて来た方は静かに聞いているだけでよく、祈ることも信仰の表明も求めません。最後にリーダーがまとめ、約束を破られて傷ついている方々のために祈ります。
次のように祈り始めることができます(祈りの方向)。
真実な神よ、あなたは人のように偽ることなく、語られたことを行い、成し遂げられます。私たちは言葉の重みが失われがちな世に生き、自分も約束したのに実行できないことがあります。どうかおゆるしください。あなたの約束がキリストにおいてことごとく「しかり」となったこと、イエスが私たちのために幕の内へ入り、私たちの望みを錨のように確かにしてくださったことを感謝します。あなたの言葉に安心して頼らせてください。また聖霊が、キリストにおいて成し遂げられた約束によって私たちを新しくし、私たちの「しかり」を誠実で信頼できるものにしてください。できない時はすぐ認め、人に対する落ち度の責任を取れますように。イエスの名によって祈ります。アーメン。
祈った後、次の中から今週行うことを一人一つ選びます。一つで十分です。すぐに選べなくてもかまいません。
記録も報告も必要ありません。よければ次の集まりで話してください。できなかった時は、何が難しかったのかを祈りのうちに神の前へ持って行きましょう。
「自ら存在し、永遠におられる神」の課(出エジプト記 3:1-15)、または「人に負債を残されない神」の課(レビ記 19:9-18)を選べます。