役割を分かち、共に働かれる三位一体の神 · スモールグループ

神の栄光, 第22課. 読む マタイによる福音書 3:13-17. 家庭や職場で、一人がすべてを背負うか、互いに責任を押しつけ、真に協力することが少ない

中心聖句:マタイによる福音書 3:13-17

イエスがバプテスマを受けられた時、天が開け、神の御霊がはとのようにその上に下り、天から「これはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である」と声がありました。父、子、聖霊が同じ場面におられます。後にイエスは、ご自分が去って聖霊をつかわし、聖霊は「わたしに栄光を得させる」と語られました。ただお一人の神は父、子、聖霊であり、三位は互いに愛し、互いに栄光を現し、ともに救いを成し遂げられます。家庭や教会で協力する私たちも、この神から学びます。

はじめに

多くの家庭や職場では、いつも同じ人に仕事が集まります。「人に任せると心配だから、自分でやった方がいい」と何でも一人で背負い、ついには疲れ果て、不満を募らせる人がいます。反対に、問題が起きると皆が後ろへ下がり、功績は欲しくても責任はだれも引き受けたがらないこともあります。本当の協力は、意外に少ないものです。

マタイによる福音書3章で、イエスは公の働きを始める前にヨルダン川へ行き、バプテスマのヨハネからバプテスマを受けようとされました。ヨハネは思いとどまらせようとします。

ところがヨハネは、それを思いとどまらせようとして言った、「わたしこそあなたからバプテスマを受けるはずですのに、あなたがわたしのところにおいでになるのですか」。(マタイ 3:14)

イエスは「今は受けさせてもらいたい。このように、すべての正しいことを成就するのは、われわれにふさわしいことである」(マタイ 3:15)と答えられました。悔い改めるべき罪がなかったにもかかわらず、水の中へ入り、罪を告白してバプテスマを受けに来た人々と共に立たれたのです。その後、次の出来事が起こりました。

イエスはバプテスマを受けるとすぐ、水から上がられた。すると、見よ、天が開け、神の御霊がはとのように自分の上に下ってくるのを、ごらんになった。(マタイ 3:16) また天から声があって言った、「これはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である」。(マタイ 3:17)

子は水辺におられ、聖霊はその上に下り、父は天から語られました。父は、イエスが公の働きを始める前に、この方がご自分の愛する子であると公に宣言されました。イエスがバプテスマの時に初めて子となられたという意味ではありません。この御子は、永遠から父に愛されている方です。

教会はこのことを「三位一体」と呼んできました。聖書は、神はただお一人であると語ります(申命記 6:4)。このお一人の神は父、子、聖霊という三つの位格であり、三位は等しく神であり、等しく尊い方です。しかし、三人の神ではなく、一人の神が順番に三つの姿へ変わるのでもありません。これは信仰の深い奥義で、人がすべてを説明し尽くすことはできません。それでも、聖書が語るとおりに語ることはできます。

ヨハネによる福音書16章で、イエスは裏切られる夜、弟子たちにこう語られました。

しかし、わたしはほんとうのことをあなたがたに言うが、わたしが去って行くことは、あなたがたの益になるのだ。わたしが去って行かなければ、あなたがたのところに助け主はこないであろう。もし行けば、それをあなたがたにつかわそう。(ヨハネ 16:7)

イエスは、この聖霊が「自分から語るのではなく、その聞くところを語り」(ヨハネ 16:13)、「御霊はわたしに栄光を得させるであろう。わたしのものを受けて、それをあなたがたに知らせるからである」(ヨハネ 16:14)と語られました。また、「父がお持ちになっているものはみな、わたしのものである」(ヨハネ 16:15)とも言われました。父はすべてを子にお与えになり、子は父に従って父に栄光を帰し、聖霊はご自分のために語らず、人々をキリストへ導かれます。三位の間には、功績の奪い合いも責任の押しつけ合いもなく、互いに栄光を現すことを喜ばれます。

救いにおいても同じです。父がつかわし、子が成し遂げ、聖霊がこの救いを人の心に届けてくださいます。パウロは教会を、「主イエス・キリストの恵みと、神の愛と、聖霊の交わりとが、あなたがた一同と共にあるように」(2コリント 13:13)と祝福しました。教会のさまざまな奉仕についても、「霊の賜物は種々あるが、御霊は同じである。務は種々あるが、主は同じである。働きは種々あるが、すべてのものの中に働いてすべてのことをなさる神は、同じである」(1コリント 12:4-6)と語っています。

人間同士の協力を三位一体の神と同列に置くことはできません。私たちは、この神からほんの少し学ぶだけです。一人が長い間すべてを背負っているのは、本当に分担する人がいないからかもしれませんし、人を信頼したり、助けを求めたり、助けを受け入れたりすることが難しいからかもしれません。責任を押しつけ合う背景にも、恐れや無力感、自分のことしか考えられない状態があるかもしれません。父、子、聖霊は互いに愛し、互いに栄光を現し、ともに救いを成し遂げられます。父はキリストにあって私たちを受け入れ、聖霊は私たちを一つのからだに結び合わせ、私たちのうちに謙遜と愛を実らせてくださいます。それによって私たちは、負担を分け、手放し、人の働きを認めることを学べます。家事も、教会の奉仕も、職場での協働も、恵みのうちに互いを生かすことを学ぶ場となります。

学びのポイント

1. 「すべての正しいことを成就する」(3:15)。 イエスには罪がありませんでしたが、悔い改めのバプテスマを受け、罪人と共に立たれました。これは父のみこころに従い、罪人と同じ立場に身を置き、十字架へ向かわれる大切な一歩です。

2. 三位が共におられる場面(3:16-17)。 子がバプテスマを受け、聖霊が下り、父が語られます。「三位一体」という言葉そのものは聖書にありません。これは、ただお一人の神が父、子、聖霊であるという聖書の啓示を、教会がまとめた言葉です。

3. 「助け主」(ヨハネ 16:7)。 原語の παράκλητος(paraklētos)は、ヨハネの文書では助ける方、弁護する方、執り成す方などを意味し得ます。ここでは父と子によってつかわされる聖霊を指します。聖霊は自分から語らず、キリストに栄光を得させます(16:13-14)。

4. 「役割分担」という言い方には注意が必要です。 父、子、聖霊の働きは決して切り離されず、三位はともに働かれます。聖書は救いについて、つかわすこと、成し遂げること、その救いを人のうちに実現することを、それぞれ父、子、聖霊について語っているのです。

5. 奥義であって、矛盾ではありません。 教会は昔から二つの説明を退けてきました。一つは神が三人いるという説明、もう一つは一人の神が順番に三つの身分へ変わるという説明です。三位一体の教えは、聖書が同時に語る二つのことを守ります。神はただお一人であり、父、子、聖霊はいずれも神です。

分かち合い

オープニング(約10分)

ウォームアップ:家庭や職場に、「結局どんなこともこの人のところへ集まる」という人はいますか。それはあなたでしょうか。(初めて来た方も話せます)

リーダーへのヒント:気軽に尋ねれば、笑いも起こるでしょう。どのようなタイプかだけを話し、その場にいない人を名指しで批判しないでください。この問いは、「一人で背負うこと」と「責任を押しつけ合うこと」について話す準備になります。

この課の振り返り(リーダーが読み上げます。予習できなかった方のための約1分のまとめです)

この課では、マタイによる福音書3章13~17節を読みます。イエスはヨルダン川へ行き、ヨハネからバプテスマを受けようとされました。ヨハネは思いとどまらせようとして、自分こそイエスからバプテスマを受けるべきなのに、なぜ自分のところへ来られたのかと尋ねました。イエスは、今は受けさせてもらいたい、すべての正しいことを成就するのは自分たちにふさわしい、と答えられました。イエスがバプテスマを受けて水から上がると、天が開け、神の御霊がはとのようにその上へ下り、天から「これはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である」と声がしました。あわせて読むヨハネによる福音書16章では、イエスは、ご自分が去ることは弟子たちの益となり、去れば助け主をつかわす、その方はご自分に栄光を得させる、と語られました。今日は、協力して働かれる三位一体の神について一緒に考えます。

観察

1. 13-15節を読みます。ヨハネはなぜイエスを思いとどまらせようとしましたか。イエスはどう答えられましたか。

リーダーへのヒント:ヨハネは、自分こそイエスからバプテスマを受けるべきなのに、なぜ自分のところへ来られたのか、と言いました。イエスは、今は受けさせてもらいたい、すべての正しいことを成就するのは自分たちにふさわしい、と答えられました。イエスには罪がありませんでしたが、罪を告白してバプテスマを受ける人々と共に立たれた、と補足できます。

2. 16-17節を読みます。イエスが水から上がられた後、何が起こりましたか。父、子、聖霊はそれぞれどこにおられましたか。

リーダーへのヒント:天が開けました。神の御霊がはとのように下り、イエスの上にとどまりました。天から「これはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である」と声がしました。子は水辺におられ、聖霊はその上に下り、父は天から語られました。

3. ヨハネ 16:7、13-15を読みます。イエスは、なぜご自分が去ると言われましたか。聖霊が来られると、何をなさいますか。

リーダーへのヒント:イエスが去ることは弟子たちの益となり、去れば助け主をつかわす、と語られました。聖霊は人々を真理へ導き、自分から語らず、キリストに栄光を得させ、キリストから受けたものを弟子たちに知らせます。父がお持ちのものは、すべて子のものです。

解釈

4. この二つの箇所で、父、子、聖霊は互いをどのように扱っておられますか。そこから、神がどのようなお方だと分かりますか。

リーダーへのヒント:この課の中心となる問いです。十分に時間を取ってください。父は子を喜び、すべてを子にお与えになります。子は父に従います。聖霊は子の上に下り、子に栄光を得させます。功績の奪い合いも責任の押しつけ合いもありません。ただお一人の神は孤独な方ではなく、そのうちに愛の交わりがあります。このような神だと知ることで、神についての理解がどう変わるか、続けて尋ねてもよいでしょう。

5.(時間があれば扱う問い)父が「これはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である」と語られたのは、イエスが公の働きを始める前でした。このことは、奉仕や仕事への私たちの姿勢について、何を教えますか。

リーダーへのヒント:イエスはもとから、父が永遠に愛されるひとり子です。私たちはキリストに結ばれ、父の子として迎えられました。奉仕は、この受け入れを獲得するためのものではなく、すでに受けた恵みへの応答として生まれます。そのため、自分を証明しようとして功績を奪う必要はありません。

6. 1コリント 12:4-6は、聖霊、主、神という言葉を用いて、教会のさまざまな賜物と奉仕について語ります。三位一体の神のお姿は、家庭や教会で協力する私たちに、何を教えますか。

リーダーへのヒント:互いの事情をまずよく聴き、動機を急いで決めつけないでください。ずっと背負っている人には、本当に分担する人がいないのかもしれませんし、助けを求めにくいのかもしれません。後ろへ下がる人は、恐れているのかもしれず、自分のことしか考えていない場合もあります。私たちは聖霊によって、分け合い、手放し、人に功績を譲ることを学びます。ただし、人間同士の協力は影にすぎません。「三位一体の神も同じように会議をする」などとは言わないでください。

適用

7. あなたは「一人で背負う」方ですか。それとも「一歩後ろへ下がる」方ですか。(どちらか一つだけでもかまいません。初めて来た方も話せます)

リーダーへのヒント:リーダーが先に自分のことを話します。どちらにも理由があります。背負う人は、人に迷惑をかけることを恐れているかもしれません。下がる人は、失敗することを恐れているかもしれません。評価しないでください。

8. 今週、家庭、教会、職場のどのようなことについて、本当に協力することを学びたいですか。

リーダーへのヒント:具体的になるよう助けてください。何でも背負う人は、一つを人に任せ、やり方が自分と違ってもすぐに取り返してやり直さないようにします。後ろへ下がる人は、一つを自分から引き受けます。一緒に働いた人へ、公に感謝することもできます。この後の行動リストも、この方向に沿っています。

祈りと実践

ともに祈る(約15分)

一人にマタイ 3:16-17、続いて2コリント 13:13をゆっくり読んでもらい、皆で二分間静まります。それぞれ、自分がずっと一人で背負っていること、またはずっと人へ押しつけていることを一つ、心の中で考えます。希望する人は、短くひと言、ふた言祈ります。声に出したくない人は、静かに祈ることも祈りです。初めて来た方は、静かに聞くだけでよく、祈ることも信仰の立場を表明することも求めません。最後にリーダーがまとめ、家庭や教会で重い負担を背負っている人のために執り成します。

祈りは、次のように始めてもよいでしょう。

天の父よ、イエスがバプテスマを受けられた時、あなたが愛する御子を喜び、聖霊がその上に下られたことを示してくださり、ありがとうございます。御子をつかわしてくださったこと、イエスが私たちのために命を捨ててくださったこと、聖霊が私たちをキリストのもとへ導いてくださることを感謝します。私たちは、いつも一人で背負ったり、責任を人に押しつけたりしてしまいます。あなたのお姿に学び、互いに愛し、尊び、人の働きを喜んで認め、すべての栄光をあなたに帰す者としてください。イエスのみ名によって祈ります。アーメン。

今週の行動リスト(約5分)

祈りの後、下から一つを選んで今週行います。一つで十分です。すぐに選べなくてもかまいません。

記録も報告もいりません。よければ次の集まりで話してください。できなかった時には、どこで難しくなったかを祈りのうちに神へ持って行きましょう。

さらに話したい時

「からだの一人ひとりに賜物がある」の課(1コリント 12:4-27)、または「奉仕の重荷を分かち合う」の課(民数記 11:10-17)を選べます。

リーダーガイド