神に聴くことを学ぶ · スモールグループ

聖霊によって祈る:神の臨在と導きを経験する, 第3課. 読む サムエル記上 3:1-10. 祈りが願い事の一覧だけになっている。一方で、「神の声を聞く」という話は神秘的に語られすぎることが多い

中心聖句:サムエル記上 3:1-10

祈りは、願い事の一覧だけで終わるものではありません。神は御子において、最も明確に語られました。聖書は、神の言葉を聞くための最も確かな場所です。「しもべは聞きます。お話しください」という心で御言葉を読み、その御言葉をもって神に応答することが、聞くことを学ぶ出発点です。

はじめに

ある人が、年配の姉妹に尋ねました。「毎日、祈りで何を話していますか」。彼女は少し考え、笑って答えました。「結局、いつも一枚のリストです。子どもの仕事、夫の体、自分の膝……全部言い終えたら、アーメンです」。このリスト自体は間違いではありません。神は、私たちが必要を申し上げることを喜ばれます。しかし、一方だけが話し、もう一方は聞いて用件を処理するだけの関係なら、子どもと父の関係というより、窓口で手続きをしているようです。

正反対の場合もあります。集会で「神が私にこう語られました」と、とても具体的に話す人がいます。聞いている人は、うらやましく思う一方で、自分を責めます。なぜ自分は一度も聞いたことがないのだろう。「神の声を聞く」ことが、少数の霊的な人だけに与えられる、神秘的な経験のように思えてきます。

サムエル記上3章には、一人の子どもが初めて神の言葉を聞くことを学ぶ場面があります。それはイスラエルにとって暗い時代でした。

わらべサムエルは、エリの前で、主に仕えていた。そのころ、主の言葉はまれで、黙示も常ではなかった。(サムエル上 3:1)

祭司エリは年老い、目がかすんでいました。二人の息子は「よこしまな人々で、主を恐れなかった」(サムエル上 2:12)とあります。ある夜、夜明け前で、神殿のともしびがまだ消えていない時、主がサムエルを呼ばれました。サムエルはエリに呼ばれたと思い、三度続けてエリの所へ走り、「あなたがお呼びになりました。わたしは、ここにおります」と言いました。聖書は、「サムエルはまだ主を知らず、主の言葉がまだ彼に現されなかった」(サムエル上 3:7)と説明します。幼い頃から神殿で育ち、神殿で仕えていても、まだ神の声を聞き分けることができませんでした。

三度目に、エリは何が起きているか悟りました。エリがサムエルに代わって聞きに行ったのではありません。答える一言を教え、元の場所へ戻って待つようにしました。主は再び来られました。

主はきて立ち、前のように、「サムエルよ、サムエルよ」と呼ばれたので、サムエルは言った、「しもべは聞きます。お話しください」。(サムエル上 3:10)

この言葉は、私たちの普段の祈りを逆向きにします。私たちは、「主よ、しもべが話しますから、どうぞ聞いてください」と言いがちです。サムエルは、「お話しください。しもべは聞きます」と言いました。まず神に語っていただき、自分を「しもべ」と呼びます。しもべが主人の言葉を聞くのは、それに従う用意があるからです。続いて彼が聞いたのは、エリの家へのさばきに関する、非常に重い言葉でした。翌朝、サムエルは「その事をことごとく話して、何も彼に隠さなかった」(サムエル上 3:18)。神に聞くことには、自分が聞きたくない言葉を聞くことも含まれます。

では今日、私たちはどこで神の言葉を聞くのでしょうか。ヘブル人への手紙は、冒頭でこう語ります。

神は、むかしは、預言者たちにより、いろいろな時に、いろいろな方法で、先祖たちに語られたが、この終りの時には、御子によって、わたしたちに語られたのである。(ヘブル 1:1-2)

サムエルの時代には、「主の言葉はまれ」でした。今、神は御子イエスにおいて、最も明確に語っておられます。山上でイエスの姿が変わった時、天の父は雲の中から、「これはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である。これに聞け」(マタイ 17:5)と言われました。福音書は、イエスの言葉と行いを記します。イエスは、旧約聖書全体について、「この聖書は、わたしについてあかしをするものである」(ヨハネ 5:39)とも言われました。神がどのように語られるかは、神の自由です。それでも、神が最も明確に、最も確かに語っておられる場所は、聖書です。

ですから、「神の声を聞く」ことは、まず特別な声を待つことではありません。「しもべは聞きます。お話しください」という心で聖書を開き、文脈に沿って、聖書が何を語っているかを理解します。その言葉に教えられ、慰められ、正され、聖書が明確に語ることをもって神に応答します。ある一文が特別に心に触れたからといって、神から個人的な新しい啓示を受けたことにはなりません。神は兄弟姉妹、状況、心に浮かぶ促しを用いて、あることに注意を向けさせることもできます。しかし、これらはすべて、聖書の下で確かめる必要があります。サムエルも、エリの助けによって神の声を見分けました。聞くことを学ぶには、身近な兄弟姉妹と共に読み、確かめ、待つことが必要な場合も多いのです。

学びのポイント

1. 「主の言葉はまれ」。 3:1の「まれ」という語は、ほかの箇所では宝石のような貴重なものを表すこともあります。ここでは続く「黙示も常ではなかった」という言葉から、神の言葉を聞く機会が少なかったことに重点があります。エリの家は堕落し、民は神から離れていました。まさに神の言葉がまれな時代でした。

2. 「神のともしびはまだ消えず」。 聖所のともしびは「夕から朝まで」(出エジプト記 27:21)ともすことになっていました。まだ明かりがともっていたことは、夜が明けていなかったことを示します。この細部は一つのしるしのようにも見えます。最も暗い時代にも、神は民を見捨てず、新しい人を起こそうとしておられました。

3. 「まだ主を知らず」。 サムエルは幼い頃からエリの前で主に仕えていました(サムエル上 2:11、18)。それでも3:7には、「サムエルはまだ主を知らず」とあります。続く言葉がその意味を説明します。「主の言葉がまだ彼に現されなかった」のです。これはサムエルが初めて主の言葉を受ける場面で、彼はまだその声を聞き分けられませんでした。それ以前、神を全く知らなかったという意味ではありません。

4. 「ここにおります」と二度呼ばれる名前。 サムエルは呼ばれるたびに、「わたしは、ここにおります」と答えました。アブラハムとモーセも、神に同じように答えています(創世記 22:11、出エジプト記 3:4)。「サムエルよ、サムエルよ」と二度続けて名前を呼ぶ形は、アブラハムやモーセにも見られます。親しさと厳粛さを同時に持つ呼びかけです。

5. 「しもべは聞きます」は、今聞いているということです。 エリが教えた言葉で、「聞く」に当たる原語は、継続中の動作を表します。しもべは、後で聞くのではなく、今この時に聞いています。サムエルが最初に聞いた言葉は、師であるエリに伝えなければならない厳しい言葉でした。

分かち合い

オープニング(約10分)

ウォーミングアップ:あなたの身近に、人の話をよく聞く人がいますか。その人に話すと、どのように感じますか。(初めて来た方も話せます)

リーダーへのヒント:一、二文で話してもらい、評価はしません。この問いから、「聞くこと」へ入ります。きちんと聞いてもらえると、人は心のことを話しやすくなります。聞く人は多くの場合、自分の話したいことをいったん脇に置きます。

この課の振り返り(リーダーが読み上げます。約1分。予習していない人のためです)

この課では、サムエル記上3章1〜10節を読みました。それは、主の言葉がまれな時代でした。ある夜、神殿のともしびがまだ消えていない時、主がわらべサムエルを呼ばれました。サムエルは祭司エリが呼んだと思い、三度続けてエリの所へ走りました。まだ主を知らなかったからです。三度目にエリは悟り、「もしあなたを呼ばれたら、『しもべは聞きます。主よ、お話しください』と言いなさい」と教えました。主がもう一度呼ばれた時、サムエルは「しもべは聞きます。お話しください」と答えました。対照する箇所はヘブル人への手紙1章1〜2節です。神は昔、預言者たちによって、いろいろな時、いろいろな方法で語られましたが、この終りの時には、御子によって私たちに語られました。今日は祈りの中で、どのように神の言葉を聞くことを学べるか、一緒に考えます。

観察

1. サムエル上3:1-3を読みます。それはどのような時代でしたか。聖書は、どのような細部を用いて描いていますか。

リーダーへのヒント:主の言葉はまれで、黙示も常ではありませんでした。エリは目がかすんで見ることができなくなり、神のともしびはまだ消えず、サムエルは寝ていました。「神のともしびはまだ消えず」という言葉から、何を感じるか尋ねてもよいでしょう。

2. 4〜9節を読みます。主は何度サムエルを呼ばれましたか。サムエルはそのたびに、どのように応えましたか。なぜ声を聞き分けられなかったのでしょうか。

リーダーへのヒント:最初の三度、サムエルはエリの所へ走り、「あなたがお呼びになりました。わたしは、ここにおります」と言いました。7節に理由があります。彼はまだ主を知らず、主の言葉がまだ現されていなかったからです。サムエルが聞き分けられなくても、神はあきらめず、何度も呼ばれたことにも注目しましょう。

3. エリは、この出来事の中で何をしましたか。

リーダーへのヒント:三度目に、主がサムエルを呼んでおられることを悟り、どのように答えるか教え、元の場所へ戻って待つようにしました。サムエルに代わって聞きに行かず、二人の間を遮ることもせず、この子どもを神の前へ導きました。

解釈

4. 「しもべは聞きます。お話しください」という言葉で、サムエルは自分をどの位置に置いていますか。私たちの普段の祈りと、どのように違いますか。

リーダーへのヒント:この課の中心となる問いの一つです。十分に時間を取りましょう。「お話しください」は、まず神に語っていただく言葉です。「しもべ」は、主人の言葉を聞き、従う用意があります。私たちは順序を逆にし、「主よ、しもべが話しますから聞いてください」と言いがちです。3:18も読めます。サムエルが聞いたのは厳しい言葉でしたが、翌日「その事をことごとく話して、何も彼に隠さなかった」のです。神に聞くことには、自分が聞きたくない言葉を聞くことも含まれます。

5. ヘブル1:1-2を読みます。神は昔、どのように語られましたか。この終りの時には、だれによって語られましたか。これは、今日「神の声を聞く」上で、どのような助けになりますか。

リーダーへのヒント:この課の中心となる問いです。昔は預言者たちによって、いろいろな時に、いろいろな方法で語られ、この終りの時には御子によって語られました。神はイエスにおいて最も明確に語っておられます。福音書はその言葉を記し、聖書全体がイエスについてあかしします。そのため、「神の声を聞く」ことは、まず聖書を開いてイエスを知ることです。マタイ17:5の「これに聞け」にも触れられます。神はほかの方法を用いて、あることに注意を向けさせることもできます。しかし、それらはすべて聖書の下で確かめる必要があります。

6.(時間に余裕がある時)サムエルには、神の声を聞き分けるためにエリの助けが必要でした。私たちが神の言葉を聞くことを学ぶ時、兄弟姉妹はどのように助けられますか。また、ほかの人には代わってもらえないことは何ですか。

リーダーへのヒント:兄弟姉妹は共に聖書を読み、理解し、聖書に照らして確かめ、適用するのを助けられます。聖書と一致しているか、良い実を結ぶかを一緒に考え、自分の経験も分かち合えます。しかし、エリは道を示しただけで、サムエルを元の場所へ戻し、自分で応答させました。ほかの人は助けられますが、私たちに代わって信じ、応答し、従うことはできません。

適用

7. あなたは祈りと聖書を読むことを、普段一緒にしていますか。一段落を最後まで読み、少し考え、神に応答するために静まることを、何が難しくしていますか。

リーダーへのヒント:座るとすぐスマートフォンに手が伸びる、心が落ち着かない、忙しすぎる、読み終えてもどう応答すればよいか分からない、などがあります。だれがよくできているかを評価せず、模範解答を出す必要もありません。

8. 今週、どのように「しもべは聞きます。お話しください」を実践したいですか。

リーダーへのヒント:聖書を読む前にこの言葉を言う。一段落を読んだ後、二分間静かにする。その箇所が明確に教えていることを一つ書き、それを用いて祈る、という小さな一歩を勧めましょう。続く祈りの時間に、一度一緒に練習します。

祈りと実践

ともに祈る(約15分)

この課では、まず聖書を読み、それから応答して祈ります。リーダーは全員に静かにしてもらい、「主よ、しもべは聞きます。お話しください」と一緒に言います。それからヨハネによる福音書10:27-28をゆっくり二度読みます。時間に余裕があれば、22節から読み、文脈も確認してください。

わたしの羊はわたしの声に聞き従う。わたしは彼らを知っており、彼らはわたしについて来る。わたしは、彼らに永遠の命を与える。だから、彼らはいつまでも滅びることがなく、また、彼らをわたしの手から奪い去る者はない。(ヨハネ 10:27-28)

ここで「聞く」とは、羊が羊飼いの声を聞き分け、信頼し、従うことです。読み終えたら二分間静かにし、この箇所がイエスをどのような方として示しているか、羊に何を約束しているか、羊はどう応答するかを考えます。その後、希望する人は、聖書が明確に語っていることを用いて、一、二文で神に祈ります。声に出したくない人は、黙って祈っても祈りです。初めて来た方は祈らなくてもかまいません。最後にリーダーがまとめて、参加者のために感謝し、とりなします。祈りの課題はグループ内にとどめます。慎重に扱うべきことはアプリに書かず、グループチャットにも投稿しません。後で関わる必要がある時は、リーダーが本人の同意を得てから、必要最小限の一、二文だけを個人的に記録します。

このように始めてもかまいません(祈りの方向):

天の父よ、あなたは沈黙しておられません。御子によって私たちに語ってくださったことを感謝します。私たちは自分のことばかり語り、立ち止まって聞くことがほとんどありません。心は落ち着かず、手からスマートフォンも離せません。私たちの耳と心を開いてください。あなたの御言葉を読む時、聖霊によって聞かせ、従う勇気も与えてください。聞きたくない言葉にも耳を傾けることができますように。主よ、しもべは聞きます。お話しください。イエスの御名によって祈ります。アーメン。

今週の行動リスト(約5分)

祈った後、下から一つ選び、今週実行してみましょう。一つで十分です。すぐに選べなくてもかまいません。

記録も報告も必要ありません。希望する人は、次の集まりで話してもかまいません。できなかった時は、つまずいたところを祈りの中で神に伝えましょう。

続けて話すなら

「聖霊の導きを見分ける」の課(使徒21:7-14)を選ぶことも、「静けさの中で神を待ち望む」の課(詩篇62篇)を選ぶこともできます。

リーダーガイド